馬インフルエンザワクチンで予防

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届出
伝染病

特徴

馬インフルエンザ馬インフルエンザは、A型インフルエンザウイルスによる馬の感染症であり、届出伝染病に指定されている。馬から馬への飛沫感染で急速に拡大し、1~3日の潜伏期間の後、高熱、激しい乾性発咳、多量の鼻汁等の症状を呈するが、2~3週間で回復する。従来、1型(H7N7亜型)と2型(H3N8亜型)のウイルスが知られていたが、1型による罹患報告は30年以上ほとんどなく、近年は2型が世界的に流行している。本疾病は、流行すると競馬開催の中止など大きな経済被害の原因となるため、国際獣疫事務局(OIE)のリスト疾病に指定されている。

わが国では1971年12月に初めての発生があり、翌1972年上半期まで関東を中心に2型ウイルスによる感染が大流行した。その後、ワクチン接種等により流行はおさえられてきたが、2007年8月に2型ウイルスによる発生があり、馬の移動制限、8、9月の競馬開催中止措置が取られた。


対策

わが国での本症の予防には、競走馬を中心に不活化ワクチンが用いられている。また、「馬インフルエンザの発生予防対応方針」に基づいた衛生管理により国内の発生を予防すると共に、輸入検疫により輸入馬によるウイルスの導入を予防している。治療は体力維持を目的とした補液療法や、2次感染防止を目的とした抗生物質投与等の対症療法が中心となる。

[写真:黄白色で粘稠な膿性鼻汁を出す発症馬 (JRA競走馬総合研究所提供)]

(動物衛生研究部門 金平克史)

参考情報

・家畜の監視伝染病 馬インフルエンザ


情報公開日:2017年1月11日

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