オーエスキー病同居豚の口から感染

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届出
伝染病

豚、いのしし

特徴

オーエスキー病オーエスキー病はオーエスキー病ウイルス(豚ヘルペスウイルス-1)の感染による豚といのししの届出伝染病である。新生豚では激しい神経症状を示し、死亡率が高いが、日齢が進むにつれて症状は軽くなる。妊娠豚が感染すると流産や死産が起こるが、母豚は無症状あるいは軽症である。

ウイルスは発症豚の鼻汁や唾液に含まれ、経口または経鼻で感染する。発症耐過した豚では、ウイルスは神経節細胞に生涯にわたって潜伏感染し続ける。輸送や分娩(ぶんべん)などのストレスが引き金となって潜伏ウイルスが一時的に活性化し、耐過豚から感染性ウイルスが放出され、新たな感染を起こす。

ウイルスはまれに猫、犬、牛、山羊など豚やいのしし以外の動物に感染するが、潜伏感染することなく死亡する。なお、人は本病に罹患しない。

現在、わが国で野外ウイルス感染豚の飼養が確認されている浸潤県は1県となっており、本病清浄化の達成が目前である。米国や多くの欧州諸国ではすでに清浄化が達成されている。


対策

治療法はない。ワクチンによって流死産の予防と症状の軽減ができるが、感染を防ぐことはできない。ワクチン接種豚と感染豚を識別できるマーカーワクチンが使用される。

わが国では「オーエスキー病防疫対策要領」により、清浄化対策が進められている。清浄地域では、感染豚が導入されないよう定期検査により清浄性維持を行う。一方、浸潤地域では、ワクチン接種を行いつつ定期検査によって、野外感染豚を摘発し排除することで清浄化を推進している

(動物衛生研究部門 鈴木亨、岩丸祥史)

参考情報

・家畜の監視伝染病 オーエスキー病


情報公開日:「家畜疾病図鑑」『日本農業新聞』 2011年2月23日、20面に掲載。

情報更新日:2021年3月15日

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