レッドトップの病害


斑点病(hanten-byo) Leaf spot
病原菌:Pyrenophora erythrospila Paul (= Drechslera erythrospila (Drechsler) Shoemaker)、子のう菌
 葉枯を引き起こす糸状菌病。病斑は初め褐色の小点だが、後にオリーブ灰色に変わり、周囲には黄色から黄土色のハローが形成される。発生後期には病斑は中央部から次第に灰白色に枯れ、相互に融合して葉枯を引き起こす。


冠さび病(kansabi-byo) Crown rust
病原菌:Puccinia coronata Corda var. coronata、担子菌
 被害の大きい重要病害。関東以南の比較的温暖な地域での発生が多い。初め黄色の腫れ物状の病斑であるが、やがて長さ1~2mm、幅0.5mm程度の楕円形病斑となり、表皮が破れて中から黄色~オレンジ色の夏胞子が現れる。激発すると、葉身全体が黄色い粉を吹いたように見え、やがて枯死する。黒褐色の冬胞子堆も形成するが、越冬・越夏には夏胞子が重要な役割を果たすと考えられている。病原菌はフェスク、ライグラス菌と同種である。


黒斑病(kokuhan-byo) Septogloeum leaf spot
病原菌:Cheilaria agrostis Libert、不完全菌
 葉に斑点を生じる糸状菌病。病斑は暗褐色から黒色、楕円形から紡錘形で、中央部は灰白色に色あせるため、環状に見える。古くなると、表面に分生子が粘塊状に形成されるため、病斑は白色になる。北海道、長野など高冷地での発生が多い。


長葉枯病(naga-hagare-byo) Drechslera leaf spot
病原菌:Drechslera fugax (Wallr.) Shoem.、不完全菌
 1970年代に栃木県で発生した。病斑は後に葉縁または葉の中央およびその中間に生じ、初め灰褐色、後に赤褐色、やがて長く伸びて紡錘形またはすじ状の病斑となる。発生後期には、葉脈に沿ってさらに長く伸びて、幅1-3mm、下端は葉鞘上部にまで達し、葉先から枯れこむ。病原菌は海外ではベントグラス枯死葉から分離される。


赤斑病(sekihan-byo) Red eye-spot
病原菌:Mastigosporium rubricosum (Dearness et Bartholomew) Nannfeldt、不完全菌
 北海道で発生する糸状菌病。病斑は葉に形成され、初め赤褐色であるが、後に灰白色になり、葉脈に区切られた長方形病斑になる。病斑周囲には赤紫色のハローができ、病斑は相互に融合して葉枯を引き起こす。


すじ黒穂病(suji-kuroho-byo) Stripe smut
病原菌:Ustilago striiformis (Westendorp) Niessl、担子菌
 北海道で発生する糸状菌病。被害はさほど大きくない。葉、葉鞘、稈に黒色粉状の条斑を形成する。この黒い粉は黒穂胞子で、病斑表面が破れて裸出し、風雨で飛散してまん延する。病斑部分は後に裂けてくることが多い。


炭疽病(tanso-byo) Anthracnose
病原菌:Colletotrichum graminicola (Cesati) G.W.Wilson、不完全菌
 暖地での夏枯の原因となる斑点性の糸状菌病。初め水浸状の小斑点が現れ、これが広がって淡赤褐色~橙色、楕円形~紡錘形、長さ5-10mm、幅2ー4mm程度の病斑になる。病斑が古くなると中央部に剛毛という菌組織を形成し、黒くかびたように見える。多湿条件下ではオレンジ色の胞子粘塊を形成し、これが風雨で飛散してまん延する。梅雨明けから夏の終わりにかけて発生する。病原菌はソルガム、ライグラス、バヒアグラスなどの炭疽病菌と同種であるが、それぞれ寄生性が分化しているとされる。

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