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リンゴ「ふじ」のわい化密植栽培における木の生育と収量の経年変化

[要約]

黒ボク土壌において、「ふじ」/M.9Aを列間4m×樹間2mで栽植し、最上位側枝高3m、樹幅2mの細がた紡錘形を目標樹形とした場合、10a当たり収量を4t以上確保でき、剪定が比較的容易で目標樹形を維持できるのは10〜20 年生頃である。

[キーワード]

リンゴ、わい化密植栽培、木の生育、収量

[担当]

青森産技セ・りんご研・栽培部

[代表連絡先]

電話0172-52-2331

[区分]

東北農業・果樹

[分類]

研究成果情報

[背景・ねらい]

青森県のリンゴわい化密植栽培における木の生育や収量の経年変化について、これまで具体的に検討された事例はない。そこで、「ふじ」/M.9Aを供試し、栽植から30 年間の経年変化を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

黒ボク土壌において、「ふじ」/M.9Aを列間4m×樹間2mで栽植し、最上位側枝高3m、樹幅2mの細がた紡錘形を目標樹形とした場合の木の生育及び収量の経年変化は次のとおりである。

  1. 目標樹形に達するのは8年生頃で、17 年生以降樹勢は強めとなり、21 年生以降になると栽植距離内に樹形を維持するため強剪定となり剪枝重が多くなる(図1図2)。
  2. 10a当たり収量を4t以上確保できるのは11〜26 年生までである。27 年生以降は受光体制の悪化に伴う花芽不足による着果数の減少や小玉傾向のため4tを下回る(図3)。

以上から、10a当たり収量を4t以上確保でき、剪定が比較的容易で目標樹形を維持できるのは10〜20 年生頃である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本内容は、黒ボク土壌において、M.9A 台木を使用し、栽植された木が全て健全で、欠木がない条件を前提としたものである。
  2. 土壌条件や使用台木、栽植距離、樹勢などで異なる場合がある。

[具体的データ]

((地独)青森県産業技術センターりんご研究所)

[その他]

研究課題名
リンゴの栽培に関するその他研究
予算区分
青森県交付金
研究期間
1984〜2014 年度
研究担当者
工藤智
発表論文等
工藤ら(2015)東北農業研究、68:97-98