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8月下旬に降雹害を受けたセイヨウナシ「ラ・フランス」の追熟後の果実品質

[要約]

8月下旬に降雹被害を受けた「ラ・フランス」果実の内、果肉が完全に露出した被害の大きな果実では、追熟中に腐敗がみられるが、果肉がわずかにみえる、または、果皮表面に窪みのある程度では、追熟中の腐敗はみられない。

[キーワード]

セイヨウナシ、ラ・フランス、降雹害、追熟

[担当]

山形県農業総合研究センター園芸試験場・果樹部

[代表連絡先]

電話 0237-84-4125

[区分]

東北農業・果樹

[分類]

研究成果情報

[背景・ねらい]

2014 年8 月22 日に村山地域(天童市、東根市)を中心とした降雹があり、果樹全般に打撲や裂傷、落果等の被害がみられた。ここでは、セイヨウナシ「ラ・フランス」の被害果の追熟中の腐敗発生や果実品質を調査し、雹害果の適正な取り扱いの資料とする。

[成果の内容・特徴]

  1. 収穫時の雹害果には果皮が窪む打撲、果皮が裂ける裂傷の症状がみられ、裂傷の程度には果肉が完全に露出したもの(重度)、果肉がわずかにみえるもの(中度)、果肉がみえないもの(軽度)がみられた(表1)。
  2. 雹害果の追熟中の腐敗は、裂傷程度が重度の果実でみられるが、中度以下の雹害程度ではみられない(表1)。
  3. 追熟日数は、降雹被害の程度にかかわらず、被害を受けなかった果実と同等である(表2)。
  4. 被害部の果皮直下の果肉はコルク状となるが、追熟後の健全部は、被害を受けなかった果実と同等である(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本試験は、天童市産の「ラ・フランス」/ヤマナシ台樹の果実を用い、A 園は降雹30 日後の9月21 日(ヨード反応指数:4.3、果肉硬度:11.6lb、糖度:13.0°)に収穫し、エチレン処理(20℃恒温条件下、500ppm 程度で38 時間)した後に20℃で追熟した。B 園は降雹49 日後の10 月10 日に収穫し、2℃で10 日間予冷処理した後、室温で追熟した。

[具体的データ]

(原田芳郎、荒澤直樹)

[その他]

研究課題名
園芸作物の奨励品種決定調査
予算区分
県単
研究期間
2014 年度
研究担当者
原田芳郎・荒澤直樹
発表論文等
なし