研究所トップ研究成果情報平成27年度

「シャインマスカット」短梢栽培における果房重600〜800g を目標とした花穂整形法

[要約]

ブドウ「シャインマスカット」の短梢栽培では、開花始期に花穂を3cm 程度に整形することによって収穫時600〜800g 前後の果房生産が可能である。花穂を4cm 程度に整形すると着粒数が多くなり、収穫時900g 以上の果房が多くなる。

[キーワード]

ブドウ、シャインマスカット、短梢剪定、花穂整形、穂軸長

[担当]

山形県農業総合研究センター園芸試験場・果樹部

[代表連絡先]

電話0237-84-4125

[区分]

東北農業・果樹

[分類]

研究成果情報(平成26 年度)

[背景・ねらい]

ブドウ「シャインマスカット」は萌芽特性が優れることから短梢栽培の導入が進んでいるが、樹齢の経過に伴う果粒重の増加や支梗の伸長といった短梢栽培の特徴に加え、新梢管理や植物成長調整剤の利用技術の改善により、目標房重(600〜800g)より大房になる場合が多くなっている。成木期の短梢栽培に対応した、目標とする果房品質を安定的に生産できる花穂整形法を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 成木期の「シャインマスカット」短梢栽培では、開花始期に花穂先端を3cm に整形すると房作りに十分な着粒が確保され、収穫時600〜800g 前後の果房が生産できる(表1図1)。
  2. 花穂長3cm に整形することで、4cm 整形に比べて摘粒数が少なく、収穫時の果房のしまりが向上する(表1図3)。
  3. 開花始期の花穂長を4cm 程度にすると穂軸長が長いため着粒数が多く、収穫時900g 以上の果房が多くなる(表1図1)。また、2cm 程度にすると着粒数が少なく、収穫時600g 以下の果房が多くなる。
  4. 1回目のジベレリン処理後の穂軸伸長は年次変動が大きいため、果房間の生育のばらつきが大きい場合は、摘粒時までに穂軸長を10cm 以下、支梗数を15 段以下に制限した後、着粒を40〜50 粒程度に修正する。

[成果の活用面・留意点]

  1. 樹勢が強く、花振いが懸念される場合には、開花前の摘心処理と、メピコートクロリド液剤の散布、CPPU 処理等を組み合わせるなどして着粒確保に努める。
  2. 花穂の整形は、その後の穂軸伸長を考慮して、生育が早く開花が進んでいる花穂はやや長めに、遅れている花穂はやや短めに整形する。

[具体的データ]

(明石秀也、米野智弥、佐藤光明、仲條誉志幸)

[その他]

研究課題名
園芸作物奨励品種決定調査
予算区分
県単
研究期間
平成25〜26 年度
研究担当者
明石秀也、米野智弥、佐藤光明、仲條誉志幸