ブロッコリ-の高鮮度保持に対応した機能性フィルムの選択基準


[要約]
ブロッコリ-は花蕾の軟らかくなる前の段階が収穫適期で、5℃以下の低温と酸素透過度4000ml/㎡・day・atm(15℃)程度のフィルムを組み合わせることにより1週間収穫直後の状態に近い高鮮度に保つことができる。
兵庫県立北部農業技術センター・加工流通部
[連絡先]   0796-74-1230
[部会名]   流通利用
[専 門]    食品品質
[対 象]    野菜類
[分 類]    普及

[背景・ねらい]
 ブロッコリ-は流通途上で黄化や花蕾が開花するなどし、品質低下を生じやすい。そこで、収穫後の呼吸及びエチレン発生パタ-ンを明らかにするとともに、酸素透過度を基本にした機能性フィルムの鮮度保持効果を検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 呼吸量と保存温度の関係は、20℃に比べて5℃はほぼ1/5~1/4に、0℃では1/7まで呼吸量は抑制され、低温ほど鮮度保持効果が大きい。エチレン発生量は10℃以下では比較的少なく、15℃以上で激増する(表1)。
  2. 花蕾の状況変化と呼吸量、エチレン発生量の関係では、エチレンは花蕾が軟らかくなる段階で増加しはじめ、呼吸量は花蕾が軟らかくなった段階でピ-クに達し、黄化とともに減少する(表2)。
  3. 0℃~5℃の流通温度帯では、フィルムの酸素透過度を基準に4000~10000ml/㎡・day・atm(15℃)の包材が適し、1週間程度が鮮度保持期間の目安となる(表3)。
  4. 10℃~20℃の流通温度帯では酸素透過度の比較的低い4000ml/㎡・day・atm(15℃)程度のフィルムで4日間の鮮度保持期間が目安となる(表3)。
  5. ブロッコリ-の高鮮度を保持する機能性フィルムの条件は袋内ガス組成が概ね二酸化炭素濃度10~15%、酸素濃度5~7%程度であり、酸素透過度4000~5000ml/㎡・day・atm(15℃)のフィルムで、保存温度は0~5℃が望ましい(表4)。

[成果の活用面・留意点]

     現行の流通方法では、流通途上で品温変化が生じる場合がある。品温が20℃以上になれば、蒸れ、異臭などによる品質低下をおこす可能性があるので、より酸素透過度の高いフィルムを使用する必要がある。

[その他]
研究課題名 : 機能性フィルム等と温度管理を活用した野菜の高鮮度保持流通技術の確立
予算区分   : 地域重要新技術
研究期間   : 平成9年度(平成5~7年)
研究担当者 : 永井耕介、福嶋 昭、小河拓也、中川勝也
発表論文等 : ブロッコリ-の収穫後の呼吸特性と酸素透過量を変えたフィルムによる鮮度保持効果、日本食品保蔵科学会誌、VOL.23、No.6、1997.
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