- [要約]
- 脱渋した渋ガキの西条をペースト状にして、凍結保存することにより、加熱処理による渋戻りが抑制される。果実加工品の一般的な殺菌条件である85℃で30分間加熱処理しても、渋戻りがなく、カキの色調を保持した加工品の製造が可能である。
鳥取県食品加工研究所・研究一科
[連絡先] 0859-44-6121
[部会名] 流通利用
[専 門] 加工利用
[対 象] 果樹類
[分 類] 普及
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[背景・ねらい]
- 渋ガキは、一旦脱渋しても加工工程中の加熱処理により、渋戻りするために加工用途が限られている。そこで、加熱による渋戻りを抑制する技術を開発し、渋ガキの加工利用の促進と新たな加工用途の開発を目指す。
[成果の内容・特徴]
- 鳥取県産の渋ガキ(品種:西条)を脱渋後、エキストラクタにより調製したペースト(以下、西条ペーストと称す)は、凍結保存する前では、加熱処理により渋戻りが認められるが、-20℃において凍結保存することにより、加熱処理による渋戻りが抑制され、90℃以上で加熱処理しても可溶性タンニンの増加は少なく、保存期間が長いものほど渋戻りが抑制される(表1)。
- 凍結保存した西条ペーストを原料に、果汁として40%西条ペーストを含有するように調製したカキゼリーを、果実加工品の一般的な殺菌条件である85℃で30分間加熱殺菌した後の色調は、明度が増してやや橙色が減退するが、官能的にカキの色調は保たれている(表2)。
- 85℃、30分加熱殺菌後のカキゼリーの可溶性タンニンは、非常に少なく、官能的にも渋戻りもなく良好である(表3)。
[成果の活用面・留意点]
- 加熱による渋戻りのため用途が限定されていた渋ガキであるが、高温で長時間の加熱を必要としないゼリー等の加工品の開発に活用が期待される。
- カキの品種等により、渋戻りしやすさが異なるので、利用に際してはあらかじめ確認が必要である。
[その他]
研究課題名 : 中山間地域の特産品を用いた加工食品の開発
予算区分 : 地域重要新技術
研究期間 : 平成9年度(平成8~10年)
研究担当者 : 有福一郎、山下昭道、松本通夫
発表論文等 : なし
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