- [要約]
- ユズ果汁びん詰製品の果汁液面に層を形成する浮遊物は香気成分を多く含んでおり、果汁は苦味成分、有機酸、機能性成分を多く含んでいる。ユズの香り、風味の強い製品とするためには浮遊物を残す必要がある。
兵庫県立北部農業技術センター・加工流通部
[連絡先] 0796-74-1230
[部会名] 流通利用
[専 門] 加工利用
[対 象] 果樹類
[分 類] 指導
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[背景・ねらい]
- ユズ果汁びん詰製品では、ユズ果実圧搾時(ベルト式圧搾機)に果汁とともに搾出される果皮中の油分等が黄色浮遊物となって果汁液面に層を形成し製品の外観を悪くする。そこで、ユズ果汁びん詰中の浮遊物および果汁の香気成分、苦味成分、有機酸、機能性成分を明らかにするとともに、浮遊物除去の是非を検討した。
[成果の内容・特徴]
- 浮遊物および果汁の成分含量(表1)
①香気成分はα-ピネン、ミルセン、d-リモネン、γ-テルピネン、p-シメン、リナロールなどで、浮遊物に8.9%と果汁の約1000倍多く含まれる。
②苦味成分はナリンギン、リモニン、ノミリンなどで、浮遊物には少ないが、果汁に12.5mg%含まれる。
③有機酸はクエン酸、リンゴ酸などで、浮遊物に21.3%、果汁中に7.3%含まれる。
④機能性成分はナリンギン、ヘスペリジン、リモニン、ノミリン、β-カロテンなどで、浮遊物には少ないが、果汁に29.3mg%含まれる。
- びん詰製品に含まれる成分の浮遊物中および果汁中の絶対量(図1)
①香気成分は浮遊物中に果汁中の約10倍、製品総量の約90%含まれる。
②果汁中には苦味成分、有機酸、機能性成分のほとんどが含まれる。
- 浮遊物除去品の官能評価(図2)
①浮遊物を除いた製品は通常品に比べて香りが弱いほか、苦味や酸味も弱い。
②浮遊物を除かない通常品の方がユズ風味として好ましい。
[成果の活用面・留意点]
ユズ果汁中に混入する浮遊物は香気成分の主体を占め、除去すると風味低下につながる。ユズ果汁の利用加工においては、浮遊物が有用成分であることの消費者啓蒙に努める必要がある。
[その他]
研究課題名 : ユズ果実の総合利用技術の開発
予算区分 : 地域産業間連携技術
研究期間 : 平成9年度(平成9~11年)
研究担当者 : 田畑広之進、松原甲、井上喜正
発表論文等 : なし
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