[成果情報名]

漬込み前のもみ殻摩擦処理による水なす漬の色むら防止技術

[要約]水なすを漬込む前に果皮をもみ殻で軽く摩擦し、傷を付けることにより、果皮へのアルミニウム(Al)の浸透不足を解消し、部分的に紫色や茶色を呈する水なす漬の色むらを防止できる。
[キーワード]水なす漬、果皮色素、色むら、アルミニウム、もみ殻
[担当]大阪農技セ・食品・資源部・品質科学室
[連絡先]0729-58-6551
[区分]近畿中国四国農業・食品流通
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 水なす漬は大阪特産の漬物であり、そのなす紺はAl入りミョウバンを添加した漬床で漬込むことによって鮮やかに発色する。しかし、水なす漬加工業者での漬込み時に、なす紺が発色せず部分的に原菜の紫色が残ったり茶色に脱色する色むらが発生し、それによって商品価値がなくなるため、収益が低下し問題となっている。そのため、果皮色素を安定的になす紺にするための加工技術を開発する。

[成果の内容・特徴]

  1. 従来の漬込み法で発生する発色不良部分(紫・茶)のAl含量は、同一果実のなす紺発色部分の15~35%と低い。発色不良部分でのAlの浸透不足が色むらの原因である(図1)。
  2. 漬込み前に、もみ殻を封入したビニール袋の中に原菜水なすを入れ軽く振とう(摩擦処理)する。この「もみ殻摩擦処理」によって果皮の表面にAl浸透促進のための目に見えない傷を生じさせることができる。その後は従来の漬込み工程でよい(図2)。
  3. 摩擦処理区の果皮中Al含量は無処理区のなす紺部分の2~3倍で、回数を多く摩擦した方がAlの浸透量が多くなる(図3)。
  4. 従来の漬込み法(無処理区)では多くの色むらが発生し商品ロスとなるのに対し、摩擦処理区では色むらがなく果皮全面になす紺が発色し、商品ロスがなくなる(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 漬液の浸透速度が早まると推測できるので、漬込み工程の時間短縮も期待できる。
  2. Al含量が多量になると食味に影響する場合があるので、なす紺発色後はAl無添加の漬床に漬け替えるとよい。

[具体的データ]

図1

図2

図3

表1


[その他]
研究課題名水なす漬の商品性低下(色むら)要因の解明
予算区分国補(地域産学官連携技術開発事業)
研究期間2000年度
研究担当者橘田浩二、辻 博美、中村 隆
発表論文等なし

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