[成果情報名]

成分分析による紫黒米「むらさきの舞」の品質特性評価

[要約]本県育成の紫黒米品種「むらさきの舞」はタンパク質含有率、脂質含有率が低い。また、アントシアニン含有率が高い。
[キーワード]紫黒米、アントシアニン
[担当]兵庫北部農術セ・加工流通部
[連絡先]0796-74-1230
[区分]近畿中国四国農業研究・食品流通
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 近年、全国的に紫黒米等の有色素米の育成が盛んになってきている。兵庫県においても中央農業技術センター酒米試験地で紫黒米品種「むらさきの舞」を育成した。紫黒米の色素の主成分はアントシアニンであり、高い抗酸化性が知られている。これらの色素は着色剤が制限されている加工食品への利用が考えられる。この「むらさきの舞」を加工食品として利用を図るためには品質的な特性を調査し、その特徴に応じた製品を開発する必要がある。そこで、「むらさきの舞」を紫黒米他品種との品質の比較を行い、加工食品への適性を調査する。

[成果の内容・特徴]

  1. 「むらさきの舞」は粳種であり、長粒で粒厚は薄く、玄米の表面色は黒紫色で、色素は糠層のみに存在する。調査した紫黒米品種・系統中、最も大粒であり、千粒重は約25gである(表1)。
  2. 各品種を同一条件で栽培した場合、「むらさきの舞」の玄米タンパク質含有率は6.2%であり、調査した紫黒米品種・系統中では比較的低い部類である(表1)。
  3. 「むらさきの舞」のアミロース含有率は17.8%であり、紫黒米品種の粳種のなかでは最も高いが、「日本晴」よりは含有率が低い(表1)。
  4. 「むらさきの舞」の脂質含有率は2.1%であり、調査した紫黒米品種・系統中で最も低い(表1)。
  5. 「むらさきの舞」のハンター表色法による色調は玄米粒ではL値20.6、玄米粉ではL値64.9であり、色の濃さ(明度)は紫黒米品種・系統中、中程度であった。しかし、アントシアニン(主成分:cyanidin-3-glucoside)の色価は9.25(10%E)で「天紫」についで高い(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 脂質、タンパク質含有率が低く、色素の抽出量が多いため、玄米粉を直接利用するよりも、着色酒や飲料への利用が最も特性を活かすことができる。
  2. アントシアニン色素量が多いため、加工食品への利用や天然色素としての利用も可能である。
  3. 粒が大きく、タンパク質含有率も低いため飯用米としても利用できる。

[具体的データ]

表1

表2


[その他]
研究課題名県産ブランド米の高品位栽培・流通技術の開発
予算区分県単
研究期間2001~2004年度
研究担当者小河拓也
研究論文等近畿作物・育種研究会 第152回例会

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