[成果情報名]

カンキツのコルヒチン処理個体における四倍体の効率的な選抜時期

[要約] カンキツのコルヒチンによる染色体倍加処理個体のフローサイトメトリーにおける倍数性の識別は、処理3~6ヶ月後ではキメラが多く不安定であるが、約1年半後には90%の個体で倍数性が安定することから、この時期以降に四倍体の選抜が可能となる。
[キーワード] カンキツ、コルヒチン、倍数性、四倍体、キメラ
[担当] 広島農技セ・生物工学研究部
[連絡先] 082-429-0527、ngcseibutsu@pref.hiroshima.jp
[区分] 近畿中国四国農業・生物工学
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 カンキツ類では無核性品種の育成手法として三倍体の活用が有効である。これまで、コルヒチン処理と茎頂接ぎ木法の併用により、四倍体を作出してきた。しかし、コルヒチン処理後の倍数性の変化については情報がなく、倍数性が安定するまでの時期は不明であった。そこで、倍数性の変動を調査し、四倍体の効率的な選抜時期について明らかにする。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 「早生ブンタン」、「はるか」、「広島果試7号」において、コルヒチンを処理後3~6ヶ月養成した苗(図1A)の倍数性は、約60~70%が二倍性、四倍性および八倍性細胞が混在したキメラである(表1)。
  2. コルヒチン処理後3~6ヶ月と処理後1年6~8ヶ月養成後の苗(図1B)の倍数性を比較すると、四倍性や八倍性から二倍性へ倍数性が減少する等の変化がある(表2)。また、両時期において倍数性が5品種171個体中145個体(84.8%)で変化する(表2)ことから、コルヒチン処理後3~6ヶ月の苗では四倍体の選抜が困難である。
  3. コルヒチン処理後1年6~8ヶ月養成後の苗時において四倍体であった個体は、3品種10個体中1個体(10%)を除き1年後も倍数性の変化はなく、倍数性は90%の個体が安定する(表3)。
  4. 以上の結果より、コルヒチン処理3~6ヶ月後の苗は、倍数性が不安定であるので、二倍体の排除のみを行ない、倍数性がほぼ安定するコルヒチン処理後約1年半以降の苗について四倍体の選抜を行なう。
[成果の活用面・留意点]
  1. 選抜した四倍体は、倍数性が安定するまで定期的に倍数性の確認を行い、育種素材として活用する。なお、四倍体の維持・増殖は安定した枝から採穂し、接ぎ木を行なう。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 産地活性化を狙った県独自性の高いカンキツ類の新品種育成
予算区分 県単
研究期間 2002-2004年度
研究担当者 古田貴音、金好純子、金谷新作
発表論文等 古田ら(2004)園学雑73別2:102

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