[成果情報名]

DNAマーカーによるナスの品種識別

[要約] シークエンスゲルを用いたDIG-RAPD法により、水ナスと形や大きさが似た品種・系統を識別可能なDNAマーカーを開発した。5個のプライマーによる6個のDNAマーカーにより12品種・系統を識別することができる。
[キーワード] ナス、水ナス、DNAマーカー、品種識別
[担当] 大阪食とみどり技セ・食品・資源部・生物資源グループ
[連絡先] 0729-58-6551、furukawa@afr.pref.osaka.jp
[区分] 近畿中国四国農業・生物工学
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 農産物の偽装表示問題の多発により、消費者の食の安全・安心に対する要求が高まり、品種表示の科学的な裏付けとなるDNAによる品種識別技術の開発が強く望まれている。一方、高級漬物として扱われる大阪府特産の水ナスは、偽装表示が危惧されるとともに、伝統野菜としての品種・系統を保存する必要がある。そのため、水ナスと形や大きさが似た品種・系統間におけるDNAマーカーによる識別技術の確立が期待されている。そこで、シークエンスゲルを用いたDIG-RAPD法により、ナスの品種を識別可能なDNAマーカーを開発する。
[ 成果の内容・特徴 ]
  1. 大阪府の水ナス在来系統、種苗会社から水ナスとして販売されている5品種(絹皮水茄子、美男、紫水、みず茄、柔)および水ナスと形や大きさが似た6品種(梵天丸山形、梵天丸秋田、青丸なす、羽黒一口丸茄子、極早生大丸、太助大丸)の葉片や果実からDNAを抽出し、PCR反応のテンプレートとする。
  2. DIGラベルしたプライマーを用いてPCR反応を行い、長さ40cmのシークエンスゲルを用いてPCR産物の電気泳動を行う。
  3. 電気泳動終了後、ゲルからナイロンメンブレンフィルター(Hybond-N+)への転写を行い、DIG発色法により泳動像の検出を行う。
  4. 泳動像のDNAバンドの中から、品種内多型がなく、かつ品種間に差がある品種特異的なDNAバンドを選抜する(図1)。
  5. DNAマーカーD21SP1は、図2に示したとおり6品種(美男、紫水、梵天丸山形、梵天丸秋田、青丸なす、極早生大丸)に現れ、それ以外には現れない。また、DNAマーカーD54SP4は、8品種・系統(在来系統、絹皮水茄子、紫水、柔、梵天丸秋田、青丸なす、極早生大丸、太助大丸)に現れ、それ以外には現れない。
  6. 5個のプライマーによる6個のDNAマーカーを用いて、ナスの12品種・系統のそれぞれを識別することができる(表1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 市場で流通しているナス漬物のような加工品でも、品種識別が可能である。

[具体的データ]


[その他]
研究課題名 伝統野菜(水ナス)の品種維持のためのDNA品種識別法の確立
予算区分 食品総合プロ(委託)
研究期間 2003~2004年度
研究担当者 古川 真、谷本秀夫
発表論文等 1) 古川・谷本(2004) 育種学研究 6別1:82.

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