農研機構

機能性農産物の組み合わせ NARO Style®弁当

「NARO Style®弁当」は、機能性成分(ポリフェノール、食物繊維、カロテノイド)を多く含む農産物を使用したお弁当です。2015年、「機能性表示食品制度」が始まったこと、農産物単品の機能性評価は行われていても調理・加工をして組み合わせて摂取した場合の評価がされていなかったことなどから、農研機構はお弁当として調理された物を実際に食べてもらって効果を検証する「ヒト介入試験」を実施しました。

ヒト介入試験

2015年に、NKアグリ株式会社、神奈川県立保健福祉大学、医療法人みなとみらい、中央大学理工学部人間総合理工学科と共同で、内臓脂肪面積100cm2(腹囲 男性85cm、女性90cm)以上の成人男女に、週5日の昼食で12週間、機能性弁当を食べてもらう試験を行いました。対象者159人を①茶のみ、②おかずのみ、③米飯のみが機能性農産物の群と、④3つ全て機能性農産物の群の4つに分け、それぞれタイプの異なる弁当を食べてもらったところ、①~④の全ての群で6週で内臓脂肪面積が平均9.2cm2減少し、③④の群では12週目に至ってもその減少効果が維持されました。*1

NARO Style®おむすび弁当

2019年9月24日から12週間、おむすび権米衛 農林水産省店にて、もち麦品種「キラリモチ」を30%含むおむすび2個が入った「NARO Style®おむすび弁当」が販売されました。

12週間チャレンジ

2019年5月と9月に農林水産省職員、9月に農研機構と共同研究等を行っている島津製作所の従業員の方を対象に週5日、昼食にNARO Style®弁当を食べてもらい、機能性農産物と健康の関係への理解を促す活動を行いました。
今後も、農産物・食品の機能性に関する研究開発を続けていきます。

発表論文等:
*1 山本(前田)ら(2017)日本食品科学工学会誌、64(1):24-33
*2 食味や吸水性を向上させるため玄米表面をわずかに創傷させた玄米(精米歩合が99.5%以上のもの)