鳥獣害痕跡図鑑

被害を受けた作物から加害鳥獣を判別します

農作物等が被害にあっていても、どの鳥獣が食べたか判断するのは難しいものです。ここでは加害鳥獣が明らかなものや、推測されるもの(その根拠)などを作物別に見ることができます。

新着痕跡写真! →

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ランク ランクの説明
食べる(写真・動画あり) その鳥獣が該当の作物を食べることを確認し、本サイトで痕跡の写真や採食シーンの動画、及びその解説を掲載している。
食べる(写真・動画なし) その鳥獣が該当の作物を食べることについて、文献等により報告がある。本サイトでは写真や動画、解説は掲載していない。
食べる可能性がある その鳥獣が該当の作物を食べるという報告を現時点で把握していないが、食べる可能性は考えられる。
情報なし

「食べる」には、経済的損失のないもの(摘果、廃棄果実など)も含みます。

作物名をクリックすると、その作物の痕跡図鑑(PDF)が見られます。
アイコンをクリックすると、その作物・鳥獣の痕跡写真や採食シーンの動画、及びその解説が表示されます。
分類 作物名 カラス類 ヒヨドリ ムクドリ スズメ カモ類 キジバト カワラヒワ キジ シカ イノシシ サル アライグマ ハクビシン タヌキ アナグマ
果樹 柑橘類(温州みかん、ゆずなど)

【みかん】
加害種:ハシブトガラス
果皮についているV字型の切り裂きは太くて明瞭でありハシブトガラスと考えられる。

撮影:吉田
加害種:カラス
野外実験のために樹木に糸で結びつけたミカンを防鳥網ごしに地上へ落とし、外皮を残して中身だけをきれいに持ち去った。ヒヨドリは外皮も食べてしまうことが多い。

撮影:吉田
加害種:ハシボソガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。外皮にV字形の切り裂きがない点は獣の食害を思わせるが、くちばしを差し込んで食べた深い食痕が鳥害の特徴を示す。

撮影:佐伯
加害種:カラスまたはヒヨドリ
果皮についているV字型の切り裂きは比較的太いが、種の判定は難しく、カラスとヒヨドリの両方に食害されているかもしれない。

撮影:山口
加害種:不明
食害が進むと果皮のみが枝に残っている状態になることもある。この圃場にはカラスとヒヨドリが来ていたとのこと。またハクビシンによる食害の可能性も否定できない。

撮影:山口

【みかん】
加害種:ヒヨドリ
果皮についているV字型の切り裂きが比較的細く、カラスよりもヒヨドリのくちばしの大きさに近く見える(カラスのくちばしは長さ5-7cm、ヒヨドリは約2.5cm)。

撮影:百瀬 浩
加害種:ヒヨドリ
果皮にあけた穴から細いくちばしを差し込んで食べたことがわかる。

撮影:吉田
加害種:カラスまたはヒヨドリ
果皮についているV字型の切り裂きは比較的太いが、種の判定は難しく、カラスとヒヨドリの両方に食害されているかもしれない。

撮影:山口
加害種:不明
食害が進むと果皮のみが枝に残っている状態になることもある。この圃場にはカラスとヒヨドリが来ていたとのこと。またハクビシンによる食害の可能性も否定できない。

撮影:山口
画像をクリックすると
NAROchannelで動画を閲覧できます
加害種:ヒヨドリ
庭先でポット栽培しているシークワーサーをヒヨドリが食べる様子。枝先に止まり、細い嘴で果実を繰り返し突いていた。

提供:飯塚康雄氏

【みかん】加害種:シカ
みかんの苗木の食害、葉や樹皮まで食べられる。実は全て食べられてしまい残らない。

撮影:上田
【ゆず】加害種:シカ
ユズの食害、葉を食べているところ。

撮影:上田

【みかん】
加害種:イノシシ(左)、ハクビシン(右)
イノシシは口内で咀嚼して皮を吐き出すことが多いが、場合によっては外皮を足で抑えて内身だけ綺麗に剥がして食べることもあり、その場合はハクビシンとの識別が難しい。

撮影:石川

【ゆず】加害種:サル
サルは手に実を持って口でむくきっかけを作り、そこからは手でむきながら食べることが多い。皮に残った食痕の一噛み部分は人よりも幅が狭く、あまりギザギザにならない。

撮影:上田
【ゆず】加害種:サル
手と口を使っている様子がわかる。

撮影:上田
【夏みかん】加害種:サル
手と口を使っている様子がわかる。

撮影:上田

【みかん】
加害種:ハクビシン
鳥のくちばしではなく、獣の口でかじったような痕が果皮に残る。また、基部が残っているのがハクビシンの特徴

撮影:古谷益朗
加害種:ハクビシン
ハクビシンは一度口中に入れて吐き出す食べ方も時々する。吐き出した果実に内実が残っている場合は、これを綺麗に口で摘んで引き剥がして食べるため、外皮の損傷が少なく、食痕の外皮内側への実の残りが少ない、まるで人がミカンを剥いて食べたかのような食痕になることが多い。

撮影:石川
加害種:イノシシ(左)、ハクビシン(右)
イノシシは口内で咀嚼して皮を吐き出すことが多いが、場合によっては外皮を足で抑えて内身だけ綺麗に剥がして食べることもあり、その場合はハクビシンとの識別が難しい。

撮影:石川
加害種:ハクビシン
箱ワナの餌として用いたみかんの食痕。内実を剥がして綺麗に食べるが、半身が残ることがある。

撮影:石川
加害種:ハクビシン
ハクビシンは噛みとった果皮を吐き出して散らかすことが多い。

撮影:吉田
加害種:不明
食害が進むと果皮のみが枝に残っている状態になることもある。この圃場にはカラスとヒヨドリが来ていたとのこと。またハクビシンによる食害の可能性も否定できない。

撮影:山口
りんご

【りんご】
加害種:ハシブトガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。ハシブトガラスの大きなくちばしでついばんだ痕がわかる。一口一口が大きいことが多い。

撮影:吉田
加害種:ハシボソガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。ハシボソガラスの細いくちばしで何度も細かくついばんだ痕がわかる。

撮影:吉田
加害種:ハシブトガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。ハシブトガラスでもこのようなハシボソガラスに似た食痕をつける個体がいるので、明瞭な太いV字型が見られない場合は加害鳥種の判別は難しい。

撮影:吉田

【りんご】
加害種:不明(中型獣?)
りんご園の地面にかじり跡のある果実が落ちていた。この圃場ではツキノワグマ、アナグマ、キツネ、タヌキなどのりんごを食害する複数の動物がカメラ調査で確認されている。写真のりんごは、右側の果皮の形状を見ると、比較的小さな門歯で齧り取られた形跡があり、中型獣による食痕の可能性がある。

撮影:石川

【りんご】
加害種:アナグマ
りんご園の外周に設置されたワイヤーメッシュ柵の地際が 20cm くらい掘られている。穴掘り能力の高いアナグマが土を掘り、キツネやタヌキなどの多様な中型獣もくぐり抜けて園内へ侵入する経路として利用する。

撮影:石川
加害種:不明(中型獣?)
りんご園の地面にかじり跡のある果実が落ちていた。この圃場ではツキノワグマ、アナグマ、キツネ、タヌキなどのりんごを食害する複数の動物がカメラ調査で確認されている。写真のりんごは、右側の果皮の形状を見ると、比較的小さな門歯で齧り取られた形跡があり、中型獣による食痕の可能性がある。

撮影:石川
日本なし

【日本なし】
加害種:ハシブトガラス
果皮および果肉についているV字型の切り裂きが太く、ハシブトガラスの嘴の大きさである。ハシボソガラスの食痕は、これほど明瞭な太いV字型にはならない。ただしハシブトガラスでも細い食痕になることは多いので、細い場合は種の区別が困難。

撮影:百瀬 浩
加害種:ハシブトガラス
果皮についているV字型の切り裂きが太くて明瞭。鳥による食害は、枝等に止まってつつける位置が食害される点が特徴である。

撮影:百瀬 浩

【日本なし】
加害種:アライグマ
果実をかじり取った形状で、鳥によるくちばし痕とは異なる。

撮影:古谷益朗

【日本なし】
加害種:ハクビシン
ハクビシンは樹上や果実棚から頭を下にしてぶら下がり、果実の下側から食べることが多い。

撮影:古谷益朗
西洋なし

【西洋なし】
加害種:カラス
果皮についたくちばしの痕が比較的大きく、カラスの食痕と考えられる。

撮影:山口
加害種:カラス
食害された果実と一緒に、破かれた果実保護袋が多数地面に落ちていた。

撮影:山口
かき

【かき】
加害種:ハシブトガラス
果皮についているV字型の切り裂きが太く、ハシブトガラスの嘴の大きさである。なお、この写真は少し乾燥して特徴が分かりにくい。

撮影:吉田
加害種:ハシブトガラス
ハシブトガラスが群れで食べているところを確認した。果肉についた嘴の痕が太い。

撮影:吉田
加害種:ハシブトガラス
ハシブトガラスが群れで食べているところを確認した。果肉についた嘴の痕が太い。樹下に落ちて食害されていた果実。

撮影:吉田
加害種:ハシブトガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。ハシブトガラスの大きなくちばしでついばんだ痕がわかる。カラスは果実の皮(写真内の小片)を食べずに残すことがある。

撮影:吉田
加害種:ハシボソガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。ハシボソガラスの細いくちばしで何度も細かくついばんだ痕がわかる。ムクドリやヒヨドリの食痕と区別しにくい。

撮影:吉田

【かき】
加害種:ヒヨドリ
果皮についているV字型の切り裂きが細く、食痕も浅く、カラスとは異なる。ヒヨドリが食害していたところを観察した。

撮影:山口

【かき】
加害種:ムクドリ
ムクドリが食べているところを確認した。

撮影:吉田
加害種:ムクドリ
ムクドリが食べているところを確認した。この写真のように、果実が傷んだ部分から食害が始まることはよくみられる。

撮影:吉田
加害種:ムクドリ
ムクドリは群れで食害することが多い。

撮影:山口

【かき】
<参考>タヌキ、アナグマ
摘果した西条柿をタヌキ(左奥)とアナグマ(右)が夜間に食べに来ていた。ハクビシンやアライグマとは異なり、タヌキやアナグマは木に登ることは少ないため、樹上の果実を食害することはあまりないが、このように地面にある果実はよく食べる。

撮影:上田

【かき】
<参考>タヌキ、アナグマ
摘果した西条柿をタヌキ(左奥)とアナグマ(右)が夜間に食べに来ていた。ハクビシンやアライグマとは異なり、タヌキやアナグマは木に登ることは少ないため、樹上の果実を食害することはあまりないが、このように地面にある果実はよく食べる。

撮影:上田
おうとう
(さくらんぼ)

【おうとう(さくらんぼ)】
加害種:ヒヨドリ
ヒヨドリは実を丸飲みしてしまうので、柄だけ残っている。

撮影:山口

【おうとう(さくらんぼ)】
加害種:スズメ
柄と種だけになっていたり、実に傷がついていたりするのはスズメの食痕の特徴

撮影:竹内
加害種:スズメ
スズメは果肉をついばむので、写真のように実に傷がつくところが特徴。

撮影:山口
ぶどう

【ぶどう】
加害種:カラス
カラスは果実袋をくちばしでつまんで破くので、破き方が鋭角になることが多い。獣との識別には注意が必要。

撮影:百瀬 浩
加害種:ハシブトガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。カラスは房から摘み取ったブドウの粒を足指でおさえ、くちばしで器用に果肉だけを食べて皮を残すことがある。残った皮は、ハクビシンが吐き出した潰れた形状とは異なり、丸い形状を保っていることが多い。

撮影:吉田
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加害種:ハシブトガラス
農研機構内で栽培していたブドウをカラス(ハシブトガラス)が食べるところ。完熟直前の粒を一つずつもぎ取り、次々と皮ごと丸のみした。カラスは食べ物を「のど袋」に入れて運ぶ習性がある。
なお、この場所では防鳥網やテグスは設置していなかった。

撮影:佐伯

【ぶどう】
加害種:ムクドリ?
果実袋にあいた穴が小さく、カラスよりも小さいくちばしで何回も突いてあけたような形状である。ヒヨドリも嘴の大きさはほぼ同じだが、ムクドリは物をこじ開けて中の餌を食べる習性を持つためムクドリの可能性が高い。

撮影:百瀬 浩

【ぶどう】
加害種:アライグマ
アライグマは果実袋を、前肢を使って開けるため、破け方が雑になる。泥がつくことも多い。

撮影:古谷益朗
加害種:アライグマ


撮影:古谷益朗
加害種:アライグマ


撮影:古谷益朗
加害種:アライグマ


撮影:古谷益朗
加害種:アライグマ


撮影:古谷益朗

【ぶどう】
加害種:ハクビシン
ハクビシンは果実袋を口でくわえて、上から下に引き破ることが多い。その穴から顔を突っ込んで実を食べる。

撮影:古谷益朗
加害種:ハクビシン
ハクビシンは果実を食べながら、果肉を吸い取った形の果皮をその場で吐き出す。果実袋の中に吐き出した果皮が溜まっていることもある。

撮影:佐伯
加害種:ハクビシン


撮影:古谷益朗
加害種:ハクビシン


撮影:古谷益朗
イチジク

【イチジク】
加害種:ハシブトガラス
食痕が付いた果実をもぎ取って撮影した。軸に近い位置に上下のくちばしで果実を挟んだ形の傷があり、果実の先端近くには浅く削ぎ落とされた形の傷がある。

撮影:吉田
加害種:ハシブトガラス
切株の上で果実を食べているのを観察した後に撮影した。果皮は2つにちぎられており、下写真はその一方を拡大して撮影したもの。獣の食痕とまぎらわしいが、果肉にくちばしの痕があり、果皮の状態もハクビシンのように噛んでから吐き出したものとは異なる。

撮影:吉田
加害種:カラス
枝に付いている果実に食痕があった。果皮のV字型の切り裂きが太く、ハシブトガラスが大きな嘴でついばんだ痕と思われる。果実の上面が食べられており、枝に止まって突いて食べたと考えられる。

撮影:佐伯
加害種:カラス
イチジクの木の下に食痕の付いた果実が落ちていた。果皮に嘴でついばんだ痕がみられる。

撮影:佐伯
加害種:カラス
イチジクの木の下に食痕の付いた果実が落ちていた。実を裂いて、内側から食べたと思われる。果肉に嘴で突いた痕がみられる。

撮影:佐伯
加害種:カラス
イチジクの木の下付近の切株上に、食べられた後の果皮だけがあった。カラスは果皮を食べずに残すことがある。果肉に嘴の痕があり、果皮の状態もハクビシンのように噛んでから吐き出したものとは異なる。

撮影:佐伯
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加害種:ハシブトガラス
農研機構内で栽培していたイチジクをカラス(ハシブトガラス)が食べるところ。イチジクの枝に止まり、熟した実を嘴で切り裂いて、くわえて飛び去った。残った実にはV字型の切り裂きが見える。
3時間22分後、同一と思われる個体が再び同じ経路でイチジクに近づき、残った実を同じように嘴で切り裂き、くわえて飛び去った。
なお、この場所では防鳥網やテグスは設置していなかった。

撮影:佐伯
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加害種:ハシブトガラス
農研機構内で栽培していたイチジクをカラス(ハシブトガラス)が食べるところ。地上から約60cmの枝に複数ついていた実のうち、熟した実を選び、その軸をめがけて地上からジャンプを4回繰り返して嘴で突き、実を地面に落とした。このあと、実を持ち去ったと思われる。
なお、この場所では防鳥網やテグスは設置していなかった。

撮影:佐伯

【イチジク】
加害種:ヒヨドリ
ヒヨドリが食害しているのを観察した後に撮影した。果皮を破って中味を食べている。

撮影:山口

【イチジク】
加害種:ハクビシン
表面にある歯形がハクビシンの頭骨標本の歯と一致した。

撮影:山口、佐伯
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加害種:ハクビシン
農研機構内で栽培していたイチジクをハクビシンが食べる様子。動画冒頭では、低い位置にある果実を地上から食べている。1分間の動画撮影時間中に、約1個のイチジクを食べた。栽培果実は、野生動物にとって非常にエネルギー獲得効率の高い餌となる。

撮影:小坂井、佐伯
ビワ

【ビワ】
加害種:ハシブトガラス
カラスの場合は小型の果実はもぎ取って安全な場所へ持ち去って食べることが多く、その場合、痕跡は残らない。写真は飼育個体での摂食実験で、食べている途中で回収したもの。大きな嘴でえぐったような痕が分かる。

撮影:佐伯
加害種:カラス
樹頂近くに、果実をもぎ取られた枝先のみが残っていた(矢印)。ハクビシンには登りにくい枝先であること、カラスの場合は小型の果実はもぎ取って安全な場所へ持ち去って食べることが多いことから、カラスと思われる。

撮影:佐伯
加害種:カラス
ビワの木(写真奥、樹頂部のみが映っている)に隣接する建物の屋上に、果皮と種が散らばっていた(矢印)。カラスの場合は小型の果実はもぎ取って安全な場所へ持ち去って食べることが多いため、カラスと判断した。

撮影:佐伯

【ビワ】
加害種:ヒヨドリ
食痕が付いた果実をもぎ取って撮影した。果皮に付いたV字形の痕、および果肉に付いたV字形の切り裂きの大きさから、カラスではなくヒヨドリと判断した。

撮影:吉田
加害種:ヒヨドリ
食痕が付いた果実を撮影した。ヒヨドリが飛来していたこと、果皮に付いた傷および果肉に付いた切り裂きが細かいことから、カラスではなくヒヨドリと判断した。

撮影:佐伯

【ビワ】
加害種:アライグマ
飼育しているアライグマ2個体に与えたところどちらも食べた。アライグマは前足で実を持って一部を齧り取り、何度も噛んでから皮だけ吐き出した。一度吐き出した皮も、手の届くところに落ちたものは後から拾って食べた。種も口に入れて齧ろうとするが、口からこぼれ落ちてしまった。

撮影:藤本

【ビワ】
加害種:ハクビシン
ハクビシンが噛んで吐き出した果皮。野生のビワの樹下に同様の果皮が多数散らばっていた。
ハクビシンは樹上で実を丸ごと、口の中に入れて咀嚼したのち、皮のみ吐き出すものと考えられる。

撮影:佐伯
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加害種:ハクビシン
庭先で栽培しているビワをハクビシンが食べる様子。夜、ビワの木に登り、果実を口でもぎ取って、その場で丸ごと口の中に入れて咀嚼していた。
この後、ハクビシンが吐き出したと思われる皮と種が地面に落ちていた。

提供:飯塚康雄氏
ブルーベリー

【ブルーベリー】
加害種:ヒヨドリ
ヒヨドリはブルーベリーの花も食害する。花をちぎり取って食べるヒヨドリを現場で確認した。

撮影:吉田

【ブルーベリー】
加害種:昆虫(コガネムシ類)
ついばんだように見える食痕からスズメの食害を疑ったが、スズメではなく昆虫の食痕であることを現場で確認した。

撮影:吉田
分類 作物名 カラス類 ヒヨドリ ムクドリ スズメ カモ類 キジバト カワラヒワ キジ シカ イノシシ サル アライグマ ハクビシン タヌキ アナグマ
穀類

豆類
水稲

【水稲(湛水直播)】
加害種:カルガモ
網室内でのカルガモ放飼実験時の写真。芽と根は残し、もみ部分を食べる。カラスも芽と根は残し、もみ部分を食べるので区別に注意。カラスは日中、カルガモは主に夜間に食害する。

撮影:吉田
加害種:カルガモ
柔らかい田面には水かきのある足跡が残る。

撮影:吉田

【水稲(乾田直播)】
加害種:キジバト
網室内でのキジバト放飼実験時の写真。キジバトは種もみを掘り出し、芽と根も含めて丸ごと飲み込む。生長して飲み込みにくい苗は、写真のように掘り出して放置する。写真の左右両端には未食害の苗が見える。なお、スズメの食害の場合は、むいたもみ殻が散らばる。

撮影:吉田
大麦・小麦

【大麦】加害種:スズメ
スズメが穂にとまって食害すると、茎が途中で折れることも多く、特に写真のように圃場の周縁部で顕著である。折れて地上につくと、さらにスズメに食害される。

撮影:山口
【大麦】加害種:スズメ
写真のようにスズメは一粒一粒、食害していく。食害が進むと軸だけになったり、白くなってしまったりする。

撮影:山口
【小麦】加害種:スズメ
大麦同様にスズメに食害され、茎が多数途中で折れている。

撮影:山口
【小麦】加害種:スズメ
スズメに激しく食害され、実はほとんどついていない。地面には殻がたくさん落ちている。

撮影:山口
【小麦】加害種:スズメ
スズメが食害している様子。

撮影:山口

【大麦・小麦】
加害種:キジバト
キジバトは基本的に地面から加害するが、自重で茎を折って、実を食害することもある。

撮影:山口
大豆

【大豆】
加害種:キジバト
網室内でのキジバト放飼実験時の写真。出芽した苗の子葉をちぎり取って食べる。子葉を2枚とも食べられた苗の生育は写真のように著しく遅れる。

撮影:百瀬 浩
加害種:キジバト
網室内でのキジバト放飼実験時の写真。出芽した苗の子葉をちぎり取って食べる。子葉を2枚とも食べられた苗の生育は写真のように著しく遅れる。

撮影:百瀬 浩
加害種:キジバト
網室内でのキジバト放飼実験時の写真。出芽初期の苗では引き抜かれて周囲に落ちていることがある。初生葉が展開を始める頃には被害がなくなる。

撮影:百瀬 浩
落花生

【落花生】
加害種:カラス
カラスは殻を割って中の豆を食べる。

撮影:吉田
加害種:カラス
飼育個体での摂食実験時の写真。薄皮も剥いて残すことがある。

撮影:佐伯
根菜

いも類
にんじん

【にんじん】
加害種:ハシブトガラス
ハシブトガラスが多数集まって、収穫後の放置ニンジンを食べている状況を現場で確認後に撮影した。

撮影:吉田
れんこん

【れんこん】
画像をクリックすると閲覧できます 【詳しくはこちらもご覧ください】

れんこんへの「カモ被害」把握のための食痕識別標準作業手順書
(2025年10月15日公開)

れんこん産地で得られた様々な食痕の実例写真を多数収録し、病虫害等による傷との違いや、どの鳥による食害と考えられるかを解説しています。

農研機構の標準作業手順書(SOP)公開仕様が変更され、サンプル版のみが公開されています。リンク先から利用者登録をしていただくと、本編を無料で閲覧 ・ダウンロードできます。
加害種:カモ類(マガモ、カルガモ)やオオバン
農家の収穫に立ち会って回収したもの。外からの力が加わったことによる傷や欠損が見られ、黒紫に変色していた。なお、病害等の傷であれば内側からの腐敗や凹み、表面の斑点が特徴であるため区別できる。

撮影:益子(出典:益子ら(2023)日本応用動物行動学会誌67(1):1-13)
加害種:オオバン
ハス田の水面に一時的にれんこんを浮かべ、夜間カメラ撮影して、オオバンが繰り返しついばんで食べていたことを確認した。れんこんの表面には、オオバンが尖った嘴でついばんだことによる突き刺し傷(拡大部分)が複数見られた。

撮影:益子(出典:益子ら(2023)日本応用動物行動学会誌67(1):1-13)
加害種:オオバン
ハス田の水面に一時的にれんこんを浮かべ、夜間カメラ撮影して、オオバンが繰り返しついばんで採食していたことを確認した。れんこんは深くえぐられ、断面にはV字状の細かな切れ込みが不規則に連続していた。

撮影:益子
加害種:オオバン
ハス田の泥中に一時的にれんこんを設置し、夜間カメラ撮影して、オオバンが頭を水中に浸したり、繰り返し逆立したりして採食していたことを確認した。れんこんは舟型に大きくえぐられ、断面は比較的滑らかな凹凸になっていた。このような形状は、扁平な嘴を持つカモ類やハクチョウ類による食痕との区別が難しい。

撮影:益子(出典:益子ら(2023)日本応用動物行動学会誌67(1):1-13)
加害種:マガモ及びオオバン
ハス田の泥中に一時的にれんこんを設置し、夜間カメラ撮影して、マガモとオオバンが繰り返し頭を水面下に浸して採食していたことを確認した。断面はV字状の細かな切れ込みが連続した部分と、比較的滑らかな凹凸の部分が混在していた。

撮影:益子(出典:益子ら(2023)日本応用動物行動学会誌67(1):1-13)
加害種:マガモ
マガモが脚で泥を掘る様子。巻き上げられた泥が広がっていくのがわかる。マガモは水面下浅い位置にあるれんこんから食べ進んでいくが、次第に深くなって食べにくくなると、脚で泥を掘る動作もするようになる。ハス田の泥中に一時的にれんこんを設置し、夜間カメラ撮影したもの。

撮影:益子(出典:益子ら(2022)日本鳥学会誌71(2):153-169)

動画は鳥獣害動画資料で見ることができます。
加害種:カモ類(マガモ、カルガモ)やオオバン
収穫前のハス田の泥面に見られたすり鉢状の凹み(矢印)。マガモ等が泥を掘りながられんこんを食べたことで形成されたと考えられる。

撮影:益子(出典:益子ら(2022)日本鳥学会誌71(2):153-169)
加害種:カモ類(マガモ、カルガモ)やオオバン
収穫前のハス田の泥面に見られたすり鉢状の凹み(矢印)。水を張った時期にマガモ等が泥を掘りながられんこんを食べたことで凹みができ、その後に水位が下がって、凹みに水が溜まった状態と考えられる。

撮影:益子(出典:益子ら(2022)日本鳥学会誌71(2):153-169)
加害種:オオハクチョウ
公園の池の観賞用のハス。繰り返し逆立ちしたり(上の写真)、脚で泥を掘ったりしている様子(下の写真)。泥中のれんこんを食べようとしていると考えられる。

撮影:益子
さつまいも

【さつまいも】
加害種:キジ
くちばしでついばんだような痕からキジと判定した。

撮影:山口
加害種:キジ
キジによる被害写真

撮影:山口
加害種:キジ
キジによる被害写真

撮影:山口

【さつまいも】
加害種:アライグマ
サツマイモの表面に爪で引っ掻いたような痕が多数残っていることからアライグマと判定した。

撮影:古谷益朗
加害種:アライグマ
アライグマによる被害写真

撮影:古谷益朗
加害種:アライグマ
アライグマによる被害写真

撮影:古谷益朗
葉茎菜類 はくさい

【はくさい】
加害種:ヒヨドリ
食痕がギザギザであり、昆虫による食害ではない。

撮影:吉田

【はくさい】
加害種:ニホンジカ
切歯(前歯)で嚙み切るため、切り口が比較的まっすぐになる。

提供:長野県
こまつな

【こまつな】
加害種:ヒヨドリ
ヒヨドリのクチバシで食べたような三角の切れ込みがわかりやすい。

撮影:山口
加害種:ヒヨドリ
食痕の形からヒヨドリと考えられる。

撮影:山口
コマツナ畑で食害するヒヨドリの群れ
ヒヨドリは冬季に群れになって食害することが多い。

撮影:山口
キャベツ

【キャベツ】
加害種:ヒヨドリ
多数のヒヨドリが食害しているのを確認した。食痕だけでもヒヨドリと判別可能。外葉と結球部が食害されている。

撮影:山口
加害種:ヒヨドリ
多数のヒヨドリが食害しているのを確認した。結球部の上の緑色の塊はヒヨドリの糞。

撮影:山口
加害種:ヒヨドリ
結球をえぐるように食害された例。

撮影:吉田
加害種:ヒヨドリ


撮影:吉田
加害種:ヒヨドリ


撮影:吉田
加害種:ヒヨドリ


撮影:吉田

【キャベツ】
加害種:カモ類
カモ類は扁平な嘴で外葉をちぎるように食べるため、食べられた葉の先端が粗い切れ込み状になる。

撮影:益子

【キャベツ】
加害種:ニホンジカ
切歯(前歯)で嚙み切るため、切り口が比較的まっすぐになる。

提供:長野県
ちんげんさい

【ちんげんさい】
加害種:ヒヨドリ
食痕がくちばしでちぎり取ったような形状であり、昆虫による食害ではない。

撮影:吉田
ほうれんそう

【ほうれんそう】
加害種:ヒヨドリ
食痕がくちばしでちぎり取ったような形状であり、昆虫による食害ではない。

撮影:山口
加害種:ヒヨドリ
食痕がくちばしでちぎり取ったような形状であり、昆虫による食害ではない。

撮影:山口

【ほうれんそう】
加害種:ヒドリガモ
葉をついばんで食べる様子。扁平な嘴でちぎるように食べるため、食べられた葉の先端は粗い切れ込み状になる。

提供:徳島県 農林水産部 鳥獣対策・ふるさと創造課
ブロッコリー

【ブロッコリー】
加害種:ヒヨドリ
食痕が嘴でちぎり取ったような形状であり、昆虫による食害ではない。ヒヨドリは果蕾は食べずに葉を食べることが多い。

撮影:吉田

【ブロッコリー】
加害種:カモ類
カモ類は扁平な嘴で葉をちぎるように食べるため、食べられた葉の先端が粗い切れ込み状になる。花蕾は食べず、葉を食べる。

撮影:益子
加害種:カモ類
生育初期の食害も見られる。この段階で食害されると、生育が遅れるなど被害が大きくなってしまう。

撮影:益子
加害種:カルガモ、ヒドリガモ
葉をついばんで食べる様子。花蕾ではなく葉を食べ、柔らかい若葉が食べられやすい。

提供:徳島県 農林水産部 鳥獣対策・ふるさと創造課
レタス

【レタス】
加害種:ニホンジカ
切歯(前歯)で嚙み切るため、切り口が比較的まっすぐになる。

提供:長野県
分類 作物名 カラス類 ヒヨドリ ムクドリ スズメ カモ類 キジバト カワラヒワ キジ シカ イノシシ サル アライグマ ハクビシン タヌキ アナグマ
果菜類 かぼちゃ

【かぼちゃ】
加害種:カラス
くちばしを開いて突き刺した痕(上くちばしと下くちばし)が3組みられる。

撮影:吉田
加害種:ハシブトカラス
飼育しているハシブトガラスに与えたところ、このような食痕が得られた。黄色の実部分についた嘴の痕がわかる。

撮影:山口
加害種:ハシブトガラス
柔らかいところを探しているのか何箇所もつついた痕がある(飼育ハシブトガラス)。

撮影:山口
きゅうり

【きゅうり】
加害種:ハシブトガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。中央が大きくえぐられて中身のやわらかい部分が食べられ、皮の部分はちぎられた断片が周りに散らかっていた。

撮影:佐伯
なす

【なす】
加害種:カラス
果皮についているV字型の切り裂きが太くて明瞭であり、ハシブトガラスの可能性が高い。嘴を突き刺した痕(果皮についたU字状の線に見える部分)も見られる。
傷があったなすは地上から20〜30cmの高さで、それよりも高い位置の他のなすには傷は無かったため、カラスが地上から突いたと思われる。ちぎられたと思われるカケラが地上に落ちていた。

撮影:益子
加害種:カラス
果皮についているV字型の切り裂きが太くて明瞭であり、ハシブトガラスの可能性が高い。
上の写真と同じ畑で、地上から20〜30cmの高さにあったなす。カラスが地上から突いたと思われる。

撮影:益子
トマト

【トマト】
加害種:ハシブトガラス
ハシブトガラスが数羽で食べている状況を現場で確認後に撮影した。

撮影:吉田
加害種:ハシブトカラス
上記と同時に撮影。未熟な実も食べられていた。

撮影:吉田
とうもろこし

【とうもろこし】
加害種:カラス
カラスはくちばしを使って、穂の先端から皮を引き裂くようにむいて、実を食べる。穂が根元で折れることはあるが茎が傾くことはほとんどない。

撮影:百瀬 浩
加害種:カラス
カラスによる実の食害。カラスの食害は圃場の周縁部に多い。

撮影:山口
加害種:カラス
とうもろこしの出芽時のカラスによる食害。苗を引き抜いて種(コーン)部分だけを食べる。

撮影:吉田
加害種:ハクビシン、タヌキ、カラス
ハクビシン、タヌキ、カラスによる複合被害と考えられる。

撮影:古谷益朗

【とうもろこし】
加害種:ニホンジカ
子実等の食害のほか、倒伏被害も生じる。

提供:長野県

【とうもろこし】
加害種:アライグマ
アライグマは穂を持って食べるので、全周きれいに食べ、茎が倒れることが多い。実ごと持ち去ることもある。

撮影:古谷益朗

【とうもろこし】
加害種:ハクビシン
ハクビシンの食痕では口で噛みとったような痕が残る。茎が斜めになることも多いが、倒れることは少ない。

撮影:百瀬 浩
加害種:ハクビシン
ハクビシンによる食害では茎を斜めに倒して実を食べることが多い。

撮影:古谷益朗
加害種:ハクビシン、タヌキ、カラス
ハクビシン、タヌキ、カラスによる複合被害と考えられる。

撮影:古谷益朗

【とうもろこし】
加害種:タヌキ
タヌキの食痕では、茎が倒され、食べ散らかしていたり、泥がついていたりすることが多い。畑では下側の土がついた部分は残すことが多い。実ごと持ち去ることもある。

撮影:古谷益朗
加害種:ハクビシン、タヌキ、カラス
ハクビシン、タヌキ、カラスによる複合被害と考えられる。

撮影:古谷益朗
果実

野菜
いちご

【いちご】
加害種:カワラヒワ
実はそのままで表面の種子のみが食べられている。カワラヒワが実の上に乗って食べているのが生産農家によって観察された。ネズミも種子のみを食べるので注意が必要。

提供:香川県小豆農業改良普及センター

【いちご】
画像をクリックすると
NAROchannelで動画を閲覧できます
<参考>ハクビシン
庭先でポット栽培しているいちごをハクビシンがねらっている様子。夜にやって来て、鉢の縁に前肢をかけ、いちごの株の中をのぞき込むようにして果実を探していた。この動画では食べる瞬間は確認できなかった。
ハクビシンは熟した果実の部分だけをかじって食べ、ヘタや軸は残すことが多い。

提供:飯塚康雄氏

【いちご】
加害種:アナグマ
露路圃場において、熟した果実が取り去られて軸(柄)だけが残り、ヘタが落ちていた。食害を受けた苗下のマルチシートにはアナグマの特徴的な足跡(次の写真参照)があり、アナグマはいちごの畝(列)の間を歩きながら、熟した果実を選択的に口で摘み取って食べるものと推測された。

撮影:竹内 (出典:竹内(2007)日本応用動物昆虫学会誌51(3):187-196)
加害種:アナグマ
圃場マルチシート上に残ったアナグマの足跡。指球が5つでイタチ科の特徴を現し、爪の先端の痕(矢印)が残る。

撮影:竹内 (出典:竹内(2007)日本応用動物昆虫学会誌51(3):187-196)
加害種:アナグマ
果実を軸からもぎ取って食べ、ヘタを捨て去っていた。

撮影:竹内
加害種:アナグマ
アナグマは、果実を軸から口でもぎ取り、全食することが多いため、このようにかじり跡のある果実が残ることは稀。甘いお尻の部分が食べられている。

撮影:竹内 (出典:竹内(2007)日本応用動物昆虫学会誌51(3):187-196)
加害種:アナグマ
防護対策として設置されていた防虫ネットが、爪で裂かれていた。掘り跡は爪跡が深く刻まれ、鎌で切り込んだような鋭さで、深さ3〜5cm、幅は前足の幅に相当する5cm程度だった。圃場の側面を覆うネットがよじ登れない形状だったため、アナグマは相対的に攻めやすくなった地面を掘って圃場へ侵入した。

撮影:竹内 (出典:竹内(2007)日本応用動物昆虫学会誌51(3):187-196)
メロン

【メロン】
加害種:カラス
メロンの果皮は硬いため、力のあるカラスの食痕と考えられる。くちばしを突き刺して食べた形状に見え、獣類の食痕とは異なる。なお、この写真は捨てられたくずメロンの食害。

撮影:吉田
すいか

【すいか】
加害種:ハシブトガラス
果皮についているV字型の切り裂きが太くて明瞭。嘴を突き刺した痕(果皮についたU字状の線に見える部分)も見られる。

撮影:吉田
加害種:カラス
果皮についているV字型の切り裂きは上の写真ほど明瞭ではないが、果肉には嘴を差し込んで食べた深い食痕が見られ、カラスによる食害の特徴を示す。

撮影:益子
加害種:カラス
小玉すいかが大きくえぐられていた。果肉には嘴でついばんだ跡が多数見られる。

撮影:佐伯
加害種:カラス
果皮に2対の突き跡があり、カラスが嘴で突いたと考えられる。未熟果のためか、果肉に到達する傷はなく、食べられてはいなかった。

撮影:益子

【すいか】
加害種:アライグマ
アライグマは直径5〜6cmの穴を開け、前肢を使って中身をくり抜くように食べる。

撮影:古谷益朗
加害種:アライグマ
カラスによる食痕に似る場合もあるが、よく見るとクチバシの痕跡とは異なる。爪の痕がつくことが多い。

撮影:古谷益朗

【すいか】
加害種:ハクビシン
ハクビシンは顔を突っ込んで中身を食べるため、穴が大きくなる。

撮影:古谷益朗

【すいか】
加害種:タヌキ
タヌキは主に口を使って食害する。大玉のすいかはサイズ的に噛めないかもしれない。カラスやアライグマの開けた穴から食べ進み、写真のような状態になることが多いと考えられる。

撮影:古谷益朗

【すいか】
加害種:アナグマ
果皮の表面に無数の引っ掻き痕があった。周辺のカメラ等で確認されたのはアナグマのみだったことから、アナグマの長い爪で引っ掻かれたものと考えられる。このすいかは果肉に到達する傷はなく、食べられてはいなかった。

撮影:上田
その他 ひまわり

【ひまわり】
加害種:カワラヒワまたはスズメ
カワラヒワとスズメは種皮をむいて食べるため食べたところ(写真では頭花の上)や地面に種皮が散乱する。

撮影:吉田
加害種:カワラヒワ、キジバト、スズメの可能性
被害にあっているヒマワリの頭花の様子だけでは、カワラヒワ、キジバト、スズメのどの種も加害している可能性がある。

撮影:山口

【ひまわり】
加害種:キジバト
キジバトも頭花の上に乗って食べることができる。カワラヒワとの違いは種を丸呑みするため、種皮が散乱しない。

撮影:山口
加害種:カワラヒワ、キジバト、スズメの可能性
被害にあっているヒマワリの頭花の様子だけでは、カワラヒワ、キジバト、スズメのどの種も加害している可能性がある。

撮影:山口

【ひまわり】
加害種:カワラヒワ
カワラヒワが頭花の上に乗って食べているところを直接観察した。カワラヒワは種皮をむいて食べるため下に種皮が散乱する。この圃場には多くのカワラヒワが来ていた。

撮影:山口
加害種:カワラヒワ
カワラヒワが頭花の上に乗って食べているところ。

撮影:山口
加害種:カワラヒワまたはスズメ
カワラヒワとスズメは種皮をむいて食べるため食べたところ(写真では頭花の上)や地面に種皮が散乱する。

撮影:吉田
加害種:カワラヒワ、キジバト、スズメの可能性
被害にあっているヒマワリの頭花の様子だけでは、カワラヒワ、キジバト、スズメのどの種も加害している可能性がある。

撮影:山口
たけのこ

【たけのこ】
加害種:イノシシ
6月下旬の発筍期のマダケ林で、イノシシが夜間に来ていた後に撮影。地面の所々が深さ5〜10cmほど掘り返され(丸囲み)、元が折れた長さ約25cmのたけのこがあった(矢印)。地表に出ているたけのこの場合、イノシシは基底部のみを食べ、先端は残す特徴がある。食べられた横断面は、噛み砕かれたように粗いギザギザになっていた。

撮影:益子
加害種:イノシシ
上の写真と同時に撮影。長さ約70cmのたけのこの元が折られ、根元部分は縦方向に割られて一部が落ちていた。中間部分は噛み砕かれて無くなり、先端部分は残っていた。

撮影:益子

【たけのこ】
加害種:たけのこ
5月に撮影。地表に出たたけのこ(モウソウチク)のやわらかい中身がむしり取られるように食べられていた。硬い皮は裂かれ、先端も残っていた。周囲には掘られた様子はなく、サルが食べたと考えられる。

提供:飯塚康雄氏
牧草

【牧草】
加害種:ニホンジカ
切歯(前歯)で噛み切るため、切り口が比較的まっすぐになる。

撮影:秦
加害種:ニホンジカ
牧草地には夜間に侵入するケースが多いが、中山間地等、人気が少ない場所では日中にも侵入・採食する場合がある。

撮影:秦

【牧草】
加害種:イノシシ
寒地型牧草を好む。牧草の種類によって被害の程度に違いがある。特にイタリアンライグラスの被害が大きい。
暖地型牧草はあまり被害の報告はない。
詳しくは以下を参照。
イノシシの牧草地被害対策 Q&A

撮影:上田
もみ殻袋

【もみ殻袋】
加害種:カラス
丈夫なビニール袋にこのような形状の穴をあけるのはカラスと考えられる。

撮影:吉田
飼料稲ロール

【飼料稲ロール】
加害種:スズメ
スズメが食べているところを直接観察した。スズメはもみ殻をむいて食べるので、ロールの下には殻がたくさん落ちている。

撮影:山口

更新履歴

2025年11月4日
サーバ移行に伴いURLを変更
2025年10月17日
りんごのファイルを更新。れんこんにSOPのリンクを追加。イノシシ、アナグマのランクを一部更新
2025年9月3日
柑橘類にヒヨドリの動画を追加。ビワ、いちごにハクビシンの動画を追加
2025年8月18日
きゅうりを追加。すいかのファイルを更新
2025年7月7日
たけのこを追加。ハクビシン、アナグマのランクを一部更新
2025年2月7日
イチジクにハクビシンの動画を追加
2024年12月11日
すいかのファイルを更新。サルのランクを一部更新
2024年11月15日
アナグマのランクを一部更新
2024年10月11日
アナグマを追加。レタス、牧草を追加。かき、はくさい、キャベツ、とうもろこし、いちご、すいかのファイルを更新。シカのランクを一部更新
2024年9月18日
ぶどう、イチジクにカラスの動画を追加。なすを追加
2024年7月1日
ビワ、すいかのファイルを更新。各PDFに作物イラスト等を追加
2024年6月3日
れんこんを追加。葉茎菜類のファイルを更新
2024年4月18日
ポップアップ表示を追加。シカ、イノシシ、サルを追加。カモ類、アライグマ、ハクビシンのランクを一部更新
2023年12月19日
ランクの説明を追加。カラス類、スズメ、カモ類、カワラヒワ、タヌキのランクを一部更新
2023年8月2日
みかん、ビワのファイルを更新。作物イラストを追加、レイアウトを調整
2022年10月5日
ビワ、ブルーベリーのファイルを新規に作成。イチジク、かき、ぶどう、みかん、リンゴ、落花生のファイルを更新
2021年1月28日
農研機構webサイトで公開
2021年1月26日
中央研広報戦略室にて承認
2019年11月8日
アウトライン作成


畜産研究部門


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