農研機構

NARO TOPICS

農業AI研究用スパコン「紫峰」稼働開始!

農研機構は農業AI研究用のスパコン「紫峰」の稼働を開始しました。従来の多くのスパコンと異なり、主力の演算装置にGPU(Graphics Processing Unit) を用いた、機械学習や画像解析に適した仕様が特徴です。人工知能(AI)とデータを活用した最先端の研究を加速し、農業界や産業界で真に役立つ技術を開発することで、農業・食品産業の成長産業化を目指します。

プレスリリース

花の観賞は心身のストレスを緩和する(2020/6/22発表)

"花の癒し効果"を実証

農研機構は筑波大学等と共同で、花の観賞が脳の活動に影響を与え、心理的、生理的に生じたストレス反応を緩和させることを明らかにしました。
ストレスを与えた実験参加者に花の画像を見せると、ネガティブな情動が減少し、ストレスにより上昇した血圧やストレスホルモンの値が低下しました。本成果により"花の癒し効果"が心理的、生理的、脳科学的に実証されました。

花の画像は青空や椅子(人工的で中立的)の画像よりもストレス反応の軽減に有効であることが認められました。

プレスリリース

豪雨時の洪水被害軽減に貢献する水田の利活用法(2020/8/5発表)

水田の貯水機能を下流の洪水緩和に活用する「田んぼダム」の取り組みが、新潟県を皮切りに日本各地に広がっています。その積極的な活用には耕作者の協力が不可欠ですが、栽培されている水稲への悪影響と水位管理作業の負担が懸念されます。農研機構は、水稲に悪影響を及ぼさない水深および湛水期間の上限の目安を策定するとともに、その目安を手軽に達成できる水位管理器具を開発しました。この成果により、水田の貯水機能を活用した豪雨対策の普及促進が期待できます。

水田排水口に設置する水位調整器(イメージ)

インフォメーション

【好評発売中】温暖化の農業影響と適応策を農研機構が本にまとめました

農研機構が重要課題として取り組んでいる温暖化対応の研究成果をわかりやすく紹介する書籍「地球温暖化と日本の農業―気温上昇によって私たちの食べ物が変わる!?」(農研機構編著)が出版されました。
本書では、温暖化の現状や将来、世界の食糧生産への影響について解説し、また、水稲、畑作物、野菜、果樹・茶、家畜・飼料作物、病害虫・雑草、農業水利用などの各作物、分野への影響と適応策について、わかりやすく紹介しています。

気象ブックス046(成山堂書店気象ブックスシリーズ) ISBN978-4-425-55451-5 定価 本体2,200円(税別)

ピックアップ! NARO Channel

動画で見る作物の品種改良

YouTube「NARO Channel(なろチャンネル)」にて、農研機構の研究成果や開発品種についての動画を公開しています。その中から作物の品種改良の動画を2本ピックアップしてご紹介します。

「新しいお米をつくる研究」

たくさん収穫できるイネ、いもち病などの病気に強いイネ、そしておいしいものなど、新しい品種のイネを作るには、特徴の異なる2つの品種を交配して、その子どもから優れた特徴を持つものを選びます。新しい品種ができるまで約10年の月日がかかります。最近ではイネのDNAを調べ、その情報をもとに優れたイネを選ぶことも可能になっています。

交配と選抜を繰り返し、約10年かけて新しい品種を作ります。

「あま~いサツマイモ品種ができるまで」

サツマイモも交配して新しい品種を作りますが、熱帯・亜熱帯地域以外ではサツマイモはほとんど花が咲きません。花を咲かせるためにキダチアサガオと接ぎ木をするというひと手間が加わります。甘~いさつまいも「べにはるか」のほか、焼き芋用、干し芋用、加工用、そして焼酎の原料用など、それぞれの特性に合わせたいろいろなサツマイモ品種を開発しています。

接ぎ木して咲かせた花から花粉を集め、別の花に受粉させます。

編集後記

●農研機構ではコロナウイルス感染症拡大防止策のひとつとして、記者会見をオンラインで実施しています。6月16日の初めてのオンライン記者会見は、広報部職員が必要機材の調達や会場設営、事前撮影、ネット配信などを手探りで進め、テストを繰り返したうえで実施しました。幸いにも大きなトラブルなく無事に終えることができ、ホッとしています。(井)

「AIスパコン紫峰」オンライン記者会見の様子

●6月から農研機構公式のフェイスブックとツイッターを始めました。いいね!!やリツイートの数で反響が見えるので、担当者としても楽しみながら情報発信しています。まだ見ていない方は、ぜひチェックしてフォローお願いします。(四)