農研機構

特集 SDGsから知る!農研機構

ロボット・AI・ICTと農業技術の融合(ゆうごう) / 農業用水路の熱エネルギーの利用

研究セグメント Ⅱ

スマート農業
ロボット・AI・ICTと農業技術の融合

研究セグメント Ⅱ

スマート農業
ロボット・AI・ICTと農業技術の融合(ゆうごう)

一番は高齢化(こうれいか)の問題ですよね。農業をやる人が減っているって勉強したよ。

日本の農業がかかえている問題を知っているかい?

川嶋浩樹(かわしまひろき) 研究員
スマート農業
研究管理役

そうだね。それに農業で大切な経験や技術を、高齢者の方からこれから農業をやる人に全部伝えるのは難しいという問題もある。一方で1つの農家さんの田畑などの面積は年々広くなっている。

農業をやる人は減っているのに、広くなって大丈夫なの?

そこで農研機構が研究している最新技術だ!

人手不足や技術不足を補う
ロボットやAI・ICTを利用した最新の農業技術

❶ ロボットトラクタ

耕す・整地
耕うん、代かき、種まき、整地とあらゆる作業を、無人で動くロボットがやっちゃうなんて、すごい。

❷ 自動運転田植機

田植え
ベテランの農家さんと変わらないスピードと正確さで田植えができるんだね。

❸ 自動水管理システム

水の管理
田んぼに行かなくてもスマホの操作や自動で水の管理ができるなら、作業時間を大幅にカットできる。

❹ ドローン

田畑の管理
種まき、肥料やり、そして、生育状況のチェックや収穫量(しゅうかくりょう)の予測までできる。

❺ 果実収穫ロボット
(プロトタイプ)

収穫
AIがおいしい果実を自動で選別して、傷つけないようにやさしく収穫できるなんて、すごい技術!

❻ 情報の利活用

これらの機械などから集まった、たくさんの情報をAI処理する。こうしたデータ(情報)をみんなが使えるように整備したのがWAGRIだよ。

スマート農業を発展させることによって、農業に取り組みやすい環境が整備され、誰もが農業に取り組みやすくなるんだよ!

こんなかっこいい農業をやってみたいな!

研究セグメント Ⅳ

ヒートポンプを用いた
農業用水路の熱エネルギーの利用

研究セグメント Ⅳ

ヒートポンプを用いた
農業用水路の熱エネルギーの利用

三木昂史(みきたかし) 研究員
農村工学研究部門

水から熱を取り出す
気温よりも夏は低く、冬は高い農業用水(農業に利用するための水)に注目し、農業用水路の水から熱を取り出して利用する技術の研究を始めました。

ヒートポンプとは?
ヒートポンプは熱を集めて移動させる装置で、エアコンや冷蔵庫(れいぞうこ)などに使われています。ビニールハウスのような施設(しせつ)園芸でヒートポンプを利用する方法が増えています。その多くはエアコンのように屋外の空気から熱を取り出してハウスの中を暖める装置です。

水から熱を取り出す
気温よりも夏は低く、冬は高い農業用水(農業に利用するための水)に注目し、農業用水路の水から熱を取り出して利用する技術の研究を始めました。

ヒートポンプとは?
ヒートポンプは熱を集めて移動させる装置で、エアコンや冷蔵庫(れいぞうこ)などに使われています。ビニールハウスのような施設(しせつ)園芸でヒートポンプを利用する方法が増えています。その多くはエアコンのように屋外の空気から熱を取り出してハウスの中を暖める装置です。

暖房運転の例

ヒートポンプの実験
冷房運転の例

エアコンの室外機にあたる熱を取り出す装置(熱交換器)を水路の中に設置し、ヒートポンプにつないで熱を取り出す実験を行いました。

実験では、水路の水の流れが速いほど効率よく熱を取り出せることがわかりました。熱交換器をいろんな場所に設置して「熱の取り出しやすさ」を調べたところ、水が流れているときは、土の中の約15倍、水が流れていないときの約2.4倍、熱が取り出しやすいという結果が出ました。「熱を取り出しやすい」=「少ないエネルギーでヒートポンプを動かすことができる」ことになります。

ヒートポンプをみんなが使えば、石油などの化石燃料を使う機会が減り、温室効果ガスの排出(はいしゅつ)削減(さくげん)することができます。しかも、水路の水から取り出す熱は「再生可能エネルギー」です!