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農研機構×よしもと芸人のコラボ動画は、ニッポンフードシフト「農林水産笑~笑いで食の未来を考える~」にて配信中です。2021年12月公開の「銀シャリ」編に続き、新たに2作を同時公開! キングオブコント覇者の「ライス」編は、注目のお米「にじのきらめき」を生んだ新潟県上越市を訪ね、そのときのおいしい記憶をコントに詰め込みました。もう1作のAIなど最新技術を取り入れたみかん栽培の秘密に迫る「フルーツポンチ」編は、"AIみかん"を漫才で解説。農業を支える最新技術を笑いとともにお伝えします。
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農研機構の研究を動画で巡ろう
農研機構では、全国各地の研究所でさまざまな研究が行われています。今回は、動画で巡る研究成果の旅をご提案します。
プレスリリース
雑草抑える「開張型」イネを開発
雑草防除の負担軽減へ



農研機構は、野生イネの遺伝子を活用した「開張型」のイネを開発しました。普通のイネに比べて扇のように葉が広がる開張型のイネは、地面を覆って太陽光をさえぎることで、雑草の生育を従来の半分以下に抑制します。また、この開張型イネは野生イネの染色体の一部を交配により取り込んだコシヒカリですが、品質や収量、味を評価する数値は通常のコシヒカリと同等でした。本成果により除草剤散布量を減らし、雑草防除の負担が軽減されることで、生産者にも環境にも優しい新たな水稲品種開発に期待がふくらみます。

プレスリリース
害虫に超音波を用いた振動を与えて撃退!
難防除害虫の新しい防除法の開発


タバココナジラミやワタアブラムシは、幼虫・成虫ともに野菜や花き類を加害し、農作物に深刻な被害をもたらします。さまざまな化学農薬に強い耐性を示すため、化学農薬だけに頼らない防除技術が求められていました。そこで開発されたのが、昆虫の多くが振動を感知して飛び立つ習性を利用した防除法です。超音波を用いた非接触の振動を与えたところ、タバココナジラミの成虫の約60%、ワタアブラムシの有翅成虫の約25%、無翅成虫の約14%を葉の上から追い払うことに成功しました。また1日4時間、計8時間の照射でタバココナジラミの産卵数が半減。今後の実用化に向けて他の害虫への効果を検証し、離脱した害虫を吸引機などで回収する技術についても検討する予定です。


超音波集束装置を用いて非接触の振動を与え、(図1)害虫類が葉から離脱する様子を観察。(図2)は振動により産卵が抑制されているかどうかを試験
編集後記
今号でご紹介している天敵を活用した害虫防除技術のひとつ「<w天>防除体系」。農研機構が代表機関を務める「w天敵コンソーシアム」開発の本技術は、「令和3年度気候変動アクション環境大臣表彰」の開発・製品化部門(適応分野)で大賞を受賞しています。気候変動による気温の上昇で果樹への害虫被害が増加することを予測し、天敵活用でその被害をコントロールする点、また多くの人の協力のもとに現場での実験的な研究が積み重なった成果として評価されました。
受賞者功績紹介動画では、本技術について分かりやすく解説していますので、ぜひご視聴ください。
- 受賞者功績紹介動画
「<w天>防除体系」の紹介は1:15より始まります
