1.湿害・排水不良対策

大豆作付予定の圃場における営農排水対策

大豆を栽培するためには良好な播種床を作成することが極めて重要です。

すなわち、大豆の栽培は前作が終了した時点から始まっていると考えましょう。


まずは、圃場状況の確認です。

地表排水対策だけで対応困難な湧水がありますか?

なし
あり

B.地表排水対策

地表排水対策は必須1)です。十分な地表排水対策ができている場合は、圃場排水性の評価と地下排水対策へ進んでください。

圃場排水性の評価と地下排水対策はこちら

地表排水を確実に行うため、以下の項目をチェックしましょう。

落水口の位置は田面より20cm以上深いですか?

但し、耕深が15cm以上の場合は耕深+5cm以上2)を目安としてください。

いいえ

上の写真の様に落水口の位置が明渠底面より浅い場合は、明渠を施工しても落水口からほ場の外に排水できません。

この様な場合、新たに落水口を設置できますか?
下の写真は、塩ビパイプによる新たな落水口の設置例です。参考にしてください。
はい
いいえ

落水口の深さ、耕深を考慮して明渠を施工してください。落水口が深くない場合は特に注意してください。

明渠を施工したら、以下を確認しましょう。


せっかくの明渠が落水口の前を素通りしていませんか?

落水口が複数あれば、それぞれ明渠とつなげましょう。

明渠の途中が畝から崩れた土などで埋まっていませんか?

大雨の時、明渠に水が流れるよう土砂を取り除きましょう。麦作の後は特に気を付けましょう。

雨の後、明渠にいつまでも水が溜まっていませんか?

ほ場に凹凸があると、明渠も凸凹になります。

その様な場合には圃場を均平にしましょう。

排水側が低くなるように、高低差10cm未満の勾配をつけると地表排水がより効果的になります。



圃場排水性の評価と地下排水対策

地表排水対策を確認しました。次は、圃場排水性の良し悪しから、地下排水対策を検討してみましょう。

a.地下排水対策が必要な圃場ですか?

不要

地下排水対策が不要な排水性の良い圃場は、高温多照の日が長く続くと、乾き過ぎる場合があります。そのため、干ばつ害対策も検討されると良いでしょう。

干ばつ害の対策はこちらへ

C.圃場の排水性評価方法

土壌水分量センサ、塩ビ管などの円筒、水を用いた圃場の排水性を評価する方法があります。これにより、大豆作付圃場としての圃場排水性の良し悪しを客観的に知る手掛かりになります。

排水対策についての検討を行う場合は、下から続けてみましょう。

D.地下排水の対策

地下排水の対策のためのチェックポイントは、排水路の状態、暗渠出口、暗渠水閘、排水の有無などの確認です。

①排水路内の水が田面から50cmより深いですか?

降雨時は排水路の水位が上昇するため、無降雨時の排水路の水位で確認してください。

排水路の水位から田面までが高い

排水路の水位から田面までが低い

はい
いいえ
地表排水対策と併せて、畝立栽培等の E.耕種的管理対策 を併用しましょう。

②暗渠が整備されていますか?

暗渠の落水口や水閘の外観・止水弁の状況、排水状況が良好かどうかを確認してください。

 暗渠管が泥などで、詰まっている場合は洗浄で回復させられます。

③下層土の改良方法・作業機の選択

地下排水対策等、下層土の改良を行うためには、適切な作業機を選択しましょう。

a.無資材での心土破砕などの施工

※土性の判断は、改良対象深の土壌により行いましょう。

b.有資材での補助暗渠の施工

詳細については下記をご覧ください。


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脚注

1)近年のゲリラ豪雨等、予測できない降雨については地表排水対策は必須の対策と考えて下さい。圃場内明渠の施工も有効ですので、播種時の作業幅や地下排水対策等の作業体系を考慮して施工しましょう。
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2)耕深と同程度かそれより浅い場合は20cm幅程度の鋤残しの緩衝帯があっても明渠から圃場内部への逆流が生じます。例えばプラウ耕で20cm耕深とした場合の明渠深は25cm以上が目安となります。
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