そろそろ対策をはじめましょう
R3年6月 原田 泰弘
よく騙されてしまいます。悪い人にということではありませんよ。天気予報にです。
「今日は気温が上がり、真夏日になるでしょう。」そおかぁ、暑くなるのかぁ。じゃぁ、上着なしで行くかな、とか。「今日は曇りますが、雨になる心配はなさそうです。」良かった。雨具はいらないな、といった判断を毎朝行うのですが、自転車で移動することの多い私は、余計な荷物は増やしたくありません。一方で、気温や雨などの影響を諸に受けるため、情報収集は欠かせません。ところが、当てにならないこともあります。さ、寒い・・上着が欲しい。とか。おいおい、降ってきちゃったじゃない。とか。そんな日の夜のお天気情報では「〇〇さん、今日は降りましたねぇ。」とのアナウンサーの呼びかけに対し、予報士さんは「そうですね。(あっさり肯定。)南側に伸びた前線に南からの湿った空気が流れ込んだためです。」といった感じでお答え。もう少し、ごく微妙な感じで構わないので、申し訳なかった感も漂わせていただけると・・・。天気の予測はこれほどまでに難しい技術なのか、或いは気候変動の影響でますます難しくなってきているのか、恐らく両方なのでしょう。ここさいたま市は、このところ雨が降り出すことが多く、気温も最高が28℃を超える一方で、最低は15℃に届かなかったりと変動が大きい。要は環境や行動に合わせてまめに対応していくしかないのですが、そうなると私の場合、上着や雨具を携行しつつ、想定外の暑さにも対応できるような服装で、となってきますが、・・難しいな。この自転車にカゴは似合わないしなぁ。
さて、今年の梅雨入りは記録的な早さなどと言われておりますが、これからますます気温も上がってきますので、そろそろ熱中症の予防を心掛けたい時期です。この状況下では今は医療機関に余計な負荷をかけたくないと受診を我慢してしまう方もおられるかもしれません。例年以上に気をつけたいところです。環境省と厚生労働省が昨年の5月に作成したパンフレット「令和2年度の熱中症予防行動-「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント」を改めて眺めてみましたが、あまり意識していなかったこともありますので、少しだけ紹介しておきます。例えば、「屋外で人と十分な距離(2メートル以上)を確保できる場合には、マスクをはずす」とあります。街では、一人で散歩を楽しんでいたり、一人で車を運転していたりする場合でもマスクをしている人を見かけますが、これからの時期ははずすことも意識したほうが良さそうです。また、「暑くなり始めの時期から適度に運動を」とあり、「「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で毎日30分程度」とのこと。これは意識しないとできませんが、農業の場合、作業によってはかなり暑いところで本格的にきつくなることもありますので、そんなときは「30分」を超えないことを意識するほうが良いかもしれません。もう一つ「体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養」ともありますが、多忙な農業者の方々には、実はこの「静養」というのが一番難しいのではないでしょうか。私自身は生活リズムを維持し、食事に気を付け、しっかり睡眠時間を確保するといった所謂規則正しい生活が体調を悪化させないコツだと感じています。
最後に少し専門的になりますが「暑さ指数(WBGT)」にも触れておきます。これは、熱中症の予防を目的にアメリカで提案された指標のようですが、気温以外にも湿度や輻射熱(日射しによる熱や地面、建物などから出ている熱)を含めて求められていることがポイントです。通常、作業で体温が上がっても汗の蒸発や皮膚の温度上昇で体温を逃がして調節されます。言い換えますと、猛暑でなくても湿度が高くて汗を蒸発させられない環境では体温を逃がしにくくなるということです。詳しいことを知りたい方のためにリンクを貼っておきます。今年から環境省と気象庁は、暑さ指数の予測に基づいた「熱中症警戒アラート」
の運用を始めたとのことです。こちらもご参考ください。
何かと制約が多く、閉塞感の漂う昨今、中には大変な思いをされた方もおられるかもしれません。それでも心も体もいつも健康であれば、ささやかでも楽しいことが見つかるのではないでしょうか。もう過剰に警戒しなくても良い。そんなときが来ることを期待しつつ、これからの時期、みんなで元気に乗り切っていきましょう。