桜切るバカ
R8年2月 藤井 桃子
縁あって、4年間、週1~2回当研究所の附属農場に通う職務をいただきました。50代も半ばになってからです。見えない納屋の陰や作業棟の奥で細かい作業を行い、水タンクの底のヘドロを汗だくで掻きだし、水路の水栓の蓋を開けてヘビに威嚇され、ハウスで液肥に悶絶する職員達をみるにつけ、いかに自分が「農作業」を知らずにきたかを思い知らされました。
「早く帰ろう」と思った日に限ってトンネルのビニールがバタバタ。刈取りを迷う曇天に一人が始めたら周囲も一斉に収穫を開始。籾摺りを始めたばかりなのに籾摺機が破損。こうした“農業あるある”が積み重なるほど、奥深い現場を愛おしく感じます。
職員は40代・50代前半と農業界ではヒヨっ子です。それでも年波は徐々にきており、往年の怪力も当然ながら少し落ちてきた様子。替わって登場するのが便利グッズです。個人的・素人目に「これはいい」と感じた便利グッズ・機器は以下のとおり:
| 1.米袋リフタ(腰痛対策) | 地盤は固くないとダメですが楽! |
| 2.パレット回転リング(腰痛対策) | ウロウロしないで済む |
| 3.育苗箱用ロックウール培地(腰痛対策) | 浮き気味なら植付け深さを調整 |
| 4.ポリッシャー(コンクリ-トのコケ除去、滑り対策) | ホントはヒヤヒヤしているのでは? |
| 5.エアガン・ハンディブロワー(清掃に使用) | 軽度な車の雪下ろしにも |
私事で恐縮ですが、自分が腰を数度痛めており(脊柱管狭窄症、腰椎椎間板症、椎間板ヘルニア、圧迫骨折)、脊椎の一部はチタン合金の助けを借りているため、トップ3は力関係のものです。重宝している方も多いのではないでしょうか。まだの方は一度お試し下さい。御身大切に、その日は突然きます(筋トレはしておきましょう)。
話変わって2月、みんなが大好きな花の季節ももうすぐですね。昔から「桜切るバカ 梅切らぬバカ」といいます。桜の花は、細かく枝分かれしたその先に咲き、特に枝の先端に花芽が多く付きやすいため、一度剪定したあとの新枝の途中には花が咲きません。一方、梅は伸びた枝から直接花が咲くため、小枝を剪定し新枝を伸ばした方がそこにも多くの花が咲きます。文字通り樹木の違いによる剪定方法の違いを説いたものですが、転じて「物事には固有の性質があり、その性質に応じた適切な対応が必要である(出典:ことわざディクショナリ)」ことを示すとされています。
人間関係や、農機の使い方にも同じことがいえます。機械も道具も、多くのメーカーや研究者達の長年の試験研究の結果、理由があってその形・構造をしているので、本来と異なる使い方は避けてください。
皆様が安全に作業を行ってくださいますよう、またその結果実り多き1年となりますよう、願っています。




