農作業安全コラム

第2回日韓研究交流セミナー開催

H19年10月 岡田 俊輔

 先月韓国の農業工学研究所にて、第2回日韓研究交流セミナーが開催され、農業機械の安全について講演や意見交換がなされました。発表数は昨年度の5講演から9講演と大きく拡大し、盛大なものとなりました。また、韓国の方々の温かい歓迎に感謝の限りです。

 気候や風土が近く、水稲作中心の両国間には共通の部分が多いと考えていたのですが、今回の講演を聴いて感じたのは、農作業事故の状況が異なる部分も散見されることです。統計手法が異なるので一概に比較はできないのですが、例えば、日本に比べ韓国では、歩行型トラクタの事故の割合がとても多いと感じました。理由として、韓国では歩行型トラクタの利用率が異なることやトレーラの牽引による運搬用途が多いことなどが考えられます。日本でもかつて運搬用途に使用されることが多かった歩行型トラクタから、軽トラック等へ移行したことが、どの程度事故低減に寄与したか調査・検討することで、韓国での歩行型トラクタ事故の低減を見通せるのではないかと思われます。今後、両国間の差異や共通点の比較から、安全装備の有効性を評価したり、農作業事故低減の方策を抽出したりすることができるのではないかと期待しているところです。

 今回のセミナーや今後の共同研究、交流が、両国での農作業事故低減につながるように努めていきます。

第2回日韓研究交流セミナー

 

キーワード:事故/研究/歩行用トラクター/運搬・移動
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