人体振動勉強会に参加して
H20年2月 中野 丹
先日、独立行政法人労働安全衛生総合研究所で開催された健康障害を誘発する振動に関する「人体振動勉強会」に参加しました。
①機械安全・手腕振動規格の国内外の動向、②チェーンソー、刈払機の振動騒音規格及び安全規格の動向などの4講演がありましたが、「機械安全」、「手腕振動」、「規格」、「国内外」などが共通のキーワードとなっていました。
EU(欧州連合)機械指令2006/42/ECがまもなく発効しますが、この中には機械的安全の他、振動、騒音なども含まれています。この指令に基づく多くの機械安全に関するEN規格がISOとなり、それがJISに導入されていく仕組みができています。参加した電動工具、空圧工具、チェーンソー、刈払機メーカーは、このままでは、日本の規格で作った製品が世界で通用しなくなる危険性があると発言していました。
欧州発の安全規格のISO12100(基本概念)などが日本でも導入されているように、日本独自の安全規格が通用しない時代になってきています。しかし、日本の農業機械は欧州と成り立ちから大きく違っているところがあり、欧州主導の規格をそのまま受け入れにくい場面が多数あります。講演者から「ISOでは日本は1票の発言権しかないのでアジア諸国と連携して日本からの主張を発信していくことが重要」という発言がありました。我が国の農業機械の安全を向上させる活動のなかでも、アジアとの連携強化を図ることが重要であると、あらためて感じました。