平成21年の農作業死亡事故について
H23年6月 皆川 啓子
平成21年に発生した農作業による死亡事故についてのとりまとめが農林水産省生産局より公表されました。
本HPでも「農作業事故情報」、「死亡事故の動向」にて紹介させて頂いておりますので是非ご一読ください。
さて、残念なことに平成21年の農作業死亡事故件数は408件であり、平成16年以来5年ぶりに400件を超える結果でありました。主な事故原因の傾向に大きな変化はなく、農業機械作業に係るものが全体の66%(270件)を占め、機種別では上位から乗用型トラクター(122件)、歩行型トラクター(36件)、農用運搬車(30件)でした。
また、65歳以上の高齢者の死亡事故件数に占める割合は79.4%となり、特に70歳以上の比率が7割を超える(70.1%)結果となりました。
乗用型トラクターについては、既に皆様ご周知のとおり安全キャブ・フレームを装着し、シートベルトを締めることで事故死亡率を大幅に低減することができます。農林水産省では「平成23年度農作業安全推進体制緊急整備事業(安全フレーム装着トラクター普及促進事業)」を展開しており、安全キャブ・フレーム未装着トラクターを廃棄し、安全キャブ・フレーム装着トラクターを購入する際に助成が行われます。第1回の公募期間が6月1日(水)~6月15日(水)までとなっておりますので、ご興味のある方は助成内容や応募要件などの詳細が農林水産省のHPで公開1されていますので、ご覧になってみてはいかがでしょうか?
1台でも安全キャブ・フレーム未装着トラクターの使用を無くすことが、農業機械作業に係る死亡事故の減少につながり、ひいては農作業による死亡事故の減少につながります。事故は起こそうと思って起こすものではありません。乗用型トラクターを使用する際には、安全キャブ・フレームを装着し、シートベルトを締め、安全に留意しながら農作業を行ってくださるようお願い致します。
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