農研機構

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農研機構・久間理事長と日本人初の科学者宇宙飛行士・毛利衛氏が対談

久間和生理事長と、日本人初の科学者宇宙飛行士・毛利衛氏との対談が実現しました。新型コロナウイルスの流行により変わりつつある世界で、農業、気候変動、経済危機など、日本が抱える課題に科学技術がどのような役割を果たすのか―。それぞれの分野を牽引してきたおふたりが意見を交換する貴重な機会となりました。

動画で見る「農作業ロボット」

高齢化や担い手不足が深刻な問題となっている農業。ロボット化による超省力作業体系の構築が進んでいます。YouTube「NARO channel(なろチャンネル)」の動画から2本紹介します。

GNSSを搭載した高速局所施肥機

2018年に開発した野菜用の高速局所施肥機は、GNSS(衛星測位システム)センサや傾斜角度センサの情報を基に、畝立てと同時に散布ムラなく高速・高精度に肥料を繰り出します。また、畝内の上層と下層の二段に局所施肥することで、生育に合わせた適切な施肥が行えます。作業能率は従来機に比べ、約2割向上しました。

ロボット農機の高度運用がもたらす日本農業の抜本的な効率化

遠隔監視によるロボットトラクタの無人自動走行システムです。オペレーターは監視室で遠隔モニター越しにロボットの運行を監視、作業の様子も車載カメラで確認できます。またロボットは、人・障害物を検知して自動で一時停止し、遠隔で安全確認のうえ運行を再開。作業を終えると、次のほ場へと無人で移動します。高精度な位置情報と車両制御により、熟練者並みの作業が可能です。

そのほか自動運転田植機や、リモコン式であぜ道や法面も安定走行する草刈機などの動画もあります

プレスリリース
今季の高病原性鳥インフルエンザウイルスの解析

国内で感染例が多数報告されている高病原性鳥インフルエンザウイルスについて、2020年11月5日・8日に香川県で発生した事例を解析。昨冬にヨーロッパで流行したH5N8亜型高病原性鳥インフルエンザウイルスが、2020年の秋に渡り鳥とともに大陸を渡って日本に侵入したとの見解を発表しました。また、今季初発例となった原因ウイルスは、過去に国内で確認されたH5亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスに比べて、鶏が感染してから死ぬまでの期間が長い傾向にあるため、早期発見のために十分な注意を払う必要性を指摘しました。

プレスリリース
適切な環境で保存すると、種子の寿命はどのくらい?

農研機構では、農業上重要な種子等を保存するジーンバンク事業を行っています。その保存している種子の30年間にわたる発芽試験の結果を基に、主な50種8万点の種子寿命(-1°C、湿度30%で保存開始時の発芽率の85%以上を維持できる期間)を推定しました。ギニアグラス(牧草)は10年未満、コムギは20年、キュウリは約130年と、種子寿命は作物ごとに大きく異なることがわかりました。また、東アジア在来種のイネが15年であるのに対して東南アジア在来種では25年と、原産地によって種子の寿命が大きく異なる作物も確認できました。この情報は、種子の保存を行う機関や研究者の長期的な採種計画に役立てられます。

プレスリリース
果実収穫ロボットのプロトタイプを開発

農研機構は、立命館大学、自動車部品大手のデンソーと共同で、リンゴやナシなどの果実を自動で収穫するロボットの試作機を開発しました。収穫適期の見極めから、収穫、コンテナへの収納、満杯になったコンテナの交換まですべて自動で、そのスピードは人による収穫とほぼ同じです。今後は市販化に向けた現地実証試験などを計画中です。同時に作業の自動化・機械化が容易なV字樹形など省力樹形の普及も進めていきます。

編集後記

"花のプロ"の研究者さんに、家庭で花を長く楽しむ方法を伺いました。ぜひ参考にしてくださいね。

切り花の日持ちを良くするポイント

  • 花瓶はこまめに洗い、清潔に
  • 市販の切り花用品質保持剤を使用する
  • 下の方の葉は生け水に浸からないよう取り除く
  • よく切れる刃物で茎元を切り戻してから生ける
  • 傷んだ花や葉はすぐに取り除く
  • 生け水が減ったら品質保持剤を補充する

花を飾るのを避ける場所

  • エアコンの送風口など風のあたる場所
  • 直射日光のあたる場所