農研機構

NARO Topics

【なろトピックス】では、農研機構の旬な情報や注目のアレコレを紹介します。

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2022年「農業技術10大ニュース」に農研機構の研究成果8課題が選ばれました

牛の第一胃内発酵の概略図

今回発見された細菌はプロピオン酸の前駆物質を多く産生することで、メタン産生の抑制に関与することを解明しました。温室効果ガス削減に配慮した畜産への貢献が期待されます。(TOPIC1「メタンの産生が少ない牛に特徴的な新種の細菌を発見-げっぷ由来メタンの排出削減に期待-」より)

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動画で見る「米粉」

小麦粉に代わる素材として関心が高まっている米粉は、米を粉末に加工したもの。古くから、せんべい、団子、和菓子等の材料として使われています。農研機構では、米粉用に向く品種の育成や、米粉パンの製造技術の開発および普及に取り組んでいます。

米粉パンの新しい作り方 -小麦粉やグルテンを加えません-

米粉でパン生地を作る場合、サラサラとした粘らない生地になりパンが膨らまないため、グルテンや小麦粉を加えて粘る生地を作っていました。農研機構は、グルテンや小麦粉を加えずに、サラサラした米粉の生地だけでパンを作る新しい方法を開発しました。カギとなるのは米粉のデンプン粒で細かい泡を作ることです。

高アミロース米「北瑞穂」の米粉麺を使ったピビン麺

高アミロース米「北瑞穂」は、ご飯の粘りが少なくパサパサしていますが、米粉麺やライスパスタに加工しやすく、味も優れているのが特徴です。料理の一例として、ピビン麺の作り方を紹介します。コシが強く歯ごたえが良い麺とピリ辛のタレがよく合い、さっぱりとおいしく食べられます。

インフォメーション
令和4年度 若手農林水産研究者表彰受賞

農林水産業および関連産業に関する研究開発について優れた功績や、将来の技術革新に繋がる研究実績を挙げた若手研究者を表彰する「若手農林水産研究者表彰」。令和4年度は、農研機構から2名の研究員がその研究の功績を称えられ、農林水産技術会議会長賞を受賞しました。

  • 畜産研究部門
    動物行動管理研究領域 動物行動管理グループ
    小坂井 千夏 主任研究員
    「鳥獣害の発生メカニズムの解明と被害防止技術の開発」
  • 果樹茶業研究部門
    果樹品種育成研究領域 落葉果樹品種育成グループ
    西尾 聡悟 主任研究員
    「ゲノム情報を用いた果樹育種の高度化と新品種育成」
左から西尾聡悟主任研究員、小坂井千夏主任研究員

プレスリリース
ほ場ごとに土壌病害の発生しやすさを診断
AIアプリで防除の効率アップ

土壌伝染性病害(土壌病害)は防除が難しく、発生した場合の経済的被害が大きいため、多くの生産現場では最悪の事態を想定して土壌消毒剤を画一的にほ場に使用する防除が行われています。しかし、この防除方法では対策が不要なほ場にも土壌消毒剤を使用することになり、コストも労力もかかります。そこで農研機構は共同研究機関とともに、ほ場の土壌病害の発生しやすさ(=発病ポテンシャル)を人工知能(AI)で診断できるアプリ「HeSo+(ヘソプラス)」を開発しました。スマートフォン等から各ほ場の土壌の理化学性や栽培管理等の情報を入力すると、野菜の主要な土壌病害10種を対象に発病ポテンシャルのレベルとレベルに応じた対策法を提示する仕組みです。当アプリの活用により土壌消毒剤の使用と防除の効率化等が見込まれます。

本アプリは、「土壌病害の発生しやすさ」の程度を診断・評価し、予防的に対処しようとする土壌病害管理法「ヘソディム」の実践を支援

ヘソプラスにおけるマップ上でのほ場の発病しやすさを診断した結果表示画面例

プレスリリース
兵庫県の風土に適した在来品種
播州白水菜(ばんしゅうしろみずな) 」の復活に成功

「播州白水菜」は兵庫県の水菜の在来品種です。しかし近年は栽培されておらず、わずかに残っていた種子は畑では発芽できないほど活性が低下し、消失の危機にありました。農研機構は、農業生物資源ジーンバンク事業での日本国内在来品種の収集と保存を進めており、兵庫県多可町の農業事業者のファーマーズファクトリーとともに、「播州白水菜」の種子を無菌環境で発芽させ、新しい種子を得ることに成功しました。種子の復活により再び「播州白水菜」の生産が可能になり、地域の食文化の継承と地域社会の発展につながると期待されます。

「播州白水菜」は、多可町で栽培されている「播州青水菜」に比べて鮮やかな黄緑色の広く柔らかな葉を持ち、分枝が多いのが特徴

農研戯画

タイトル「動物たちの対策会議」
1
キツネ「『鳥獣害痕跡図鑑』なるものがウェブで公開されているそうです。」
2
カエル「それは、問題だ...。食べ跡からどの動物か人間にわかってしまうからな」
3
先日も柿を盗んで食べたサル殿の手配書が市中に...。 ウサギ「提案があります!」 カエル「それは良い!これで誰もつかまらないぞ」
4
ということで、動物の皆さん、人間の作った物を盗まずおうちでマナーを守って食べましょう!