研究活動報告

令和4年度(第18回)若手農林水産研究者表彰受賞報告

情報公開日:2022年11月10日 (木曜日)

令和4年10月27日(木曜日)に令和4年度(第18回)若手農林水産研究者表彰の表彰式が行われ、農研機構からは畜産研究部門の小坂井千夏、果樹茶業研究部門の西尾聡悟の2名が受賞しました。

受賞業績及び所属の概要は以下の通りです。

受賞者

右から小坂井千夏主任研究員、西尾聡悟主任研究員

農研機構畜産研究部門

動物行動管理研究領域動物行動管理グループ
小坂井 千夏 主任研究員

「鳥獣害の発生メカニズムの解明と被害防止技術の開発」

ツキノワグマの出没について、冬眠に備えるための行動がオスに加え本来定着性の高いメスの出没も促すことや、アライグマ等による収穫残さの摂食が農業被害の激甚化につながる構図を解明し、社会実装に向け現場で省力的に導入できる被害防止技術を開発しました。
より迅速な被害の予測・把握手法の開発へと展開させることで、先手の鳥獣害対策の実現が期待できます。

農研機構果樹茶業研究部門

果樹品種育成研究領域落葉果樹品種育成グループ
西尾 聡悟 主任研究員

「ゲノム情報を用いた果樹育種の高度化と新品種育成」

国内外の果樹遺伝資源を導入・収集し、有用 DNA マーカー情報の付加による遺伝資源の育種利用価値の向上を行うとともに、遺伝資源の分子遺伝学的な分類を行い、遺伝資源を効率的に育種利用するための遺伝情報を整備しました。ゲノム解析技術を駆使し、ニホンナシの糖組成と収穫期等の果実品質に関わるDNA マーカーとニホングリの「ぽろたん」の渋皮剥皮性の DNA マーカーを開発しています。
これらの研究成果を活用してこれまでにニホンナシ「甘太」、「はつまる」、ニホングリ「ぽろすけ」等、8品種を育成しました。