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ムギのおはなし ~その3~

2015.06.29更新

みなさんは、日本国内の小麦、大麦の自給率をご存知でしょうか。小麦、大麦ともに国内の自給率は10%前後と低い水準です(農林水産省「食料自給表」平成25年度データより)。

特に、現在私たちの食べているパンなどに使われている小麦はほとんどが外国産です。小麦の国際価格が高騰し、製パン向けの国内産小麦に対する国内需要も強いことから、近年、国内生産に適した小麦品種が需要になっています。

そこで、今回は農研機構が開発した小麦の品種についてご紹介します。

『ゆめちから』は弾力の素になるグルテンの力が極めて強い、超強力小麦です。中力小麦とブレンドすることにより、生地の弱さが改善されてパン用に利用されたり、弾力や硬さの食感が優れた麺になります。また、土壊病害であるコムギ縞萎縮病に強いことも特徴です。北海道において、栽培面積が拡大しています。

『ユメシホウ』は、関東地域を含む温暖地で栽培可能な早生・多収のパン用小麦です。現在は、茨城県や三重県などで栽培されています。

ひとくちに「小麦」といいますが、さまざまな種類があります。ひょっとしたら、みなさんの口にしているパン、お菓子、麺類の中にも、農研機構の育成した麦品種があるかもしれません。


「ゆめちから」を使ったパンも商品化されているよ !