プレスリリース
(お知らせ)成果事例こぼれ話 第55話の公表(おいしい大型雌ウナギの生産技術確立とチョウザメへの応用)

情報公開日:2024年3月27日 (水曜日)

ポイント

  • 漁獲量の減少が続く天然シラスウナギを有効利用するため、大豆イソフラボンを飼料に添加して与えることで、通常の2倍の大きさに育てても、軟らかくておいしい雌ウナギを生産できる技術を確立しました。
  • 研究成果を活用した大豆イソフラボン製品は、全国販売が開始されています。
  • 高級品のキャビア生産に結び付く、チョウザメへの応用も研究されています。

概要

生研支援センターでは、農林水産業や食品産業の分野で新事業の創出や技術革新を目指す研究に資金を提供しており、得られた研究成果を広く知っていただくため、これまでの研究成果を分かりやすく紹介する「成果事例こぼれ話」を作成・公表しています。

今回、紹介するのは、大豆イソフラボンを飼料に添加して与えることで、通常の2倍の大きさに育てても、軟らかくておいしい雌ウナギを生産できる技術です。

ウナギ養殖に必要な天然シラスウナギ(ウナギの稚魚)の漁獲量は年々減少しており、限られた資源の有効利用の一つとして、ウナギを通常の2倍の大きさに育て、1尾のウナギから2人前の蒲焼きを提供できるようにする研究開発に取り組みました。

ウナギは成長の途中で雌雄に分化する性質があり、理由は解明されていませんが、養殖ウナギは9割以上が雄になります。雌ウナギは雄に比べると大型になっても身が硬くなりにくいとされています。そこで愛知県水産試験場を代表機関とする研究グループは、雌雄に分化する前のウナギに大豆イソフラボンを与えることで、養殖ウナギをほぼ100 %雌にすることに成功し、通常の2倍の大きさ(重量400~500g)に育てても軟らかくておいしいウナギを生産できる技術を確立しました。

研究成果を活用した大豆イソフラボン製品は全国販売が開始され、多くの養殖業者に利用が広がることが期待されます。

またチョウザメへの応用も研究されており、高級品のキャビアが消費者に少し身近なものになる日が来ることも期待できそうです。

詳しい内容は以下のURL又は別紙をご覧ください。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/episode_list/162335.html

これまでに紹介した研究成果は以下のURLをご覧ください(全55話掲載)。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/index.html