普及指導員アンケートから見える農業労働と作業環境の課題
R8年6月 菊池 豊
農業の安全は、日々の労働環境と密接に関わっています。近年は高齢化や担い手不足により、一人あたりの作業負担が増加し、安全確保と作業環境改善の重要性が高まっています。
全国の普及指導員へのアンケート(2015年)
では、農作業において改善が必要な事項として、労働力不足(90%)、腰痛(87%)、重量物の取扱(86%)、しゃがみ・ 中腰姿勢(85%)、不定期な休日・休暇(84%)が多く挙げられました。特に、労働力不足により暑熱期においても作業量が多くなる中で、暑さを避けるための早朝・夜間作業や長時間労働が、疲労の蓄積と注意力の低下など安全リスクの増大につながります。
農林水産省によると、令和6年の農作業死亡事故は287人、そのうち熱中症が59人と増加しています。特に、5~6月は暑さに体が慣れておらず、気温がそれほど高くなくても熱中症を発症する危険があるため注意が必要です。農林水産省はこれらの状況に対して、省力化・軽労化や外部支援サービスの利用などのホワイト生産方式
への転換を呼びかけています。
本格的な夏を迎える前に、通気性の良い作業服やファン付き作業服の準備、エアコンの点検・清掃、水分・塩分補給の徹底など、暑熱対策を進めることが重要です。無理な作業を避け、体調管理を徹底することが事故防止につながります。今のうちから準備し、安全で持続的な農作業を心がけましょう。



