活動記録:2024(令和6)年度
  • 当該年度のスタッフの活動状況やニュースを新しいものから並べています。
  • すべての年度の活動記録(目次)はこちら

 ❖ 農林水産省委託プロジェクトの成果集を公開(R7.3月)
農林水産省委託プロジェクト「省力的かつ経済的効果の高い野生鳥獣侵入防止技術の開発」(R2〜6年度)の成果集を公開しました。将来の農業生産を獣害から守る、新たな防護柵の技術体系の開発を行うとともに、果樹の省力型生産体系に対応した中型哺乳類による侵入防止技術の開発を行いました。

詳しくはこちら(このプロジェクトのページ)からご覧ください。成果集や関連資料を閲覧できます。

 ❖ プロジェクト研究のページを新設(R7.3月)
「研究成果」に「プロジェクト研究」のページを新設しました。当グループが関わっている/これまでに関わったプロジェクト(主なもの)の課題概要や成果を紹介しています。

 ❖ NAROchannel(YouTube)の鳥獣害動画に新着追加!(R7.2月)
鳥獣害にまつわる動画の「NAROchannel」公開の第二弾として、ハクビシンがイチジクを食べる様子の動画を公開しました。(画像をクリックすると閲覧できます)

詳しくは、鳥獣害痕跡図鑑 の動画アイコン からご覧ください。

 ❖ 成果情報が公開(R7.1月)
2023(R5)年度の成果情報が公開されました。畜産研究部門の一覧からも閲覧できます。
研究成果情報
   豚熱経口ワクチンの散布に有効な散布エリアの選択方法

 ❖ 農研機構オンライン一般公開2024でカモの研究を紹介(R6.12月)
農研機構 冬のオンライン一般公開 - 農業と暮らしを結ぶサイエンス2024 -」にて、益子が「れんこんのカモ被害」について講演しました(Aチャンネル「生産現場の課題コーナー」)。

カモ類等によるれんこん食害の様子を初めて明らかにした動画を紹介するとともに、被害の防止策や、野鳥のすみかの保全と両立する考え方を紹介しています。
ニコニコ生放送®でアーカイブ配信されています。(画像をクリックすると閲覧できます。3:27:00頃から)

 ❖ スズメ対策における糸の色に関する論文を執筆(R6.11月)
動物の行動と管理学会誌60巻4号に、山口が「糸の色や種類によってスズメの侵入抑制効果は変わるのか」を執筆しました。
https://doi.org/10.20652/jabm.60.4_147

試験において、30cmに防鳥糸を張ることで、スズメの侵入頻度が約1/2に抑えられるが、11種類の糸状資材(透明テグス、黒色ワイヤー、ピンク水糸、黒色防鳥糸、赤銀防鳥テープ、金銀防鳥テープ、黄色防鳥糸、白ミシン糸、蛍光赤水糸、白たこ糸、蛍光黄緑水糸)間では抑制効果に差がないことを確かめました。目立つもの(金銀テープなど)でも目立たないもの(黒色ワイヤーなど)でも効果が変わらないのは興味深いです。野外の圃場では面積が大きくなるので、抑制効果はより下がることが考えられますが、糸での対策において、コストや作業性から資材を選ぶとよいと考えられます。 (写真は試験を行った施設の様子。黄色の防鳥糸が30cm間隔で張ってある)

 ❖ ニホンジカの体毛成長動態に関する論文を執筆(R6.10月)
Rapid Communications in Mass Spectrometry誌38巻24号に、秦らが「Growth pattern and turnover of carbon and nitrogen measured by stable isotope ratios in the hair of sika deer (Cervus nippon)」を執筆しました。
https://doi.org/10.1002/rcm.9920

動物の体毛は採取が比較的簡便なこと、食性履歴等の情報を保存することから安定同位体比分析等の化学分析によく使われる体組織のひとつです。しかし体毛の成長動態は動物種によって大きく異なるため、対象となる動物の体毛を分析に供する際はその成長動態を把握しておく必要があります。そこで飼育ニホンジカを対象に、体毛がいつ成長し、どのように餌情報を反映するのかを明らかにしました。その結果、冬毛は9月初旬から11月初旬まで成長し、その後成長を停止すること、肩と背中の毛はこの期間中一定速度で成長することが分かりました。体毛の炭素・窒素安定同位体比の値は成長期間中の食性情報を反映しましたが、尻毛は反映までタイムラグがあることが分かりました。本研究結果は、野生ニホンジカの体毛を分析する際にその体毛がどのような情報を保有しているか解釈するのに役立つと考えられます。(写真は染色試験中のニホンジカ:論文内FigA2より抜粋)

 ❖ 鳥獣害動画をNAROchannel(YouTube)で公開!(R6.9月)
鳥獣害にまつわる動画について、「NAROchannel」(農研機構の研究成果を動画で紹介するYouTubeチャンネル)での公開を始めました! 第一弾として、カラスがぶどうやイチジクを食べる様子の動画を公開しています。(画像をクリックすると閲覧できます)


詳しくは、鳥獣害痕跡図鑑 の動画アイコン からご覧ください。

 ❖ R3依頼研究員の松村さんがイノシシ対策用簡易電気柵の費用対効果について論文を執筆(R6.8月)
Crop ProtectionにR3依頼研究員の松村さん・中村・小坂井・竹内が”Cost-effectiveness of temporary electric fencing for preventing wild boar intrusion into small-scale paddy farmlands”を執筆しました。(R6.8月ウェブ公開)
https://doi.org/10.1016/j.cropro.2024.106900

イノシシは世界的に広く生息しているため、農地への侵入防止対策は多くの国々で取り組まれています。この論文では、侵入防止対策の政策的妥当性を担保するため、簡易電気柵の効果(対策による被害減少量)と対策にかかる経費を検証し、東アジア特有の小規模農地で、単位面積当たりの収益性が比較的低い作物である水稲において、平均的なイノシシ被害量を想定して費用対効果が認められることを初めて報告しています。ただし、収益性が低い作物で、被害量が少ないと想定される場合は費用の方が大きくなることには注意が必要です。


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