生物系特定産業技術研究支援センター

(26099C) 実需者の求める、色・香味・機能性成分に優れた茶品種とその栽培・加工技術の開発

事業名 イノベーション創出強化研究推進事業(開発研究ステージ)
実施期間 平成26年~30年(5年間)
研究グループ
(研究終了当時)
農研機構果樹茶業研究部門、宮崎県総合農業試験場、埼玉県茶業研究所、静岡県農林技術研究所、滋賀県農業技術振興センター、長崎県農林技術開発センター、大分県農林水産研究指導センター、鹿児島県農業開発総合センター、福岡県農林業総合試験場、京都府農林水産技術センター、佐賀県茶業試験場、奈良県農業開発センター、日本製紙株式会社
作成者 農研機構果樹茶業研究部門 吉田 克志

1 研究の背景

リーフ茶需要低迷による生産者の収益低下打破のため、需要が高まっている抹茶・粉末茶への適性が高い、あるいは香りが優れるなど実需者ニーズに即した品種の開発とその利用技術の確立が求められている。

2 研究の概要

色、香り、機能性に優れた品種を育成し、その栽培・加工特性を明らかにするとともに、短期間での種苗大量増殖技術を確立し、品種の普及促進を図る。

3 研究期間中の主要な成果

  • 抹茶・粉末茶に適した緑茶品種「せいめい」の品種登録出願公表。
  • 機能性成分高含有品種「MK5601」の品種登録出願公表。
  • 香りが特徴の緑茶品種「きよか」の品種登録出願公表。

4 研究終了後の新たな研究成果

海外需要が拡大する抹茶・粉末茶に適した新品種「せいめい」栽培・加工技術標準作業手順書(SOP)

https://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/files/SOP20-040K20200731.pdf

5 公表した主な特許・品種・論文

  • 品種登録 第27874号 「せいめい」(令和2年3月、農研機構)
  • 品種登録 第27989号 「MK5601」(令和2年7月、農研機構)
  • 品種登録 第28148号 「きよか」(令和2年11月、農研機構)

6 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開

(1) 実用化・普及の実績

  • 「せいめい」は鹿児島県を中心に約20ha普及。
  • 種苗生産許諾件数:「せいめい」13社、「きよか」1社。

(2) 実用化の達成要因

「せいめい」については、農研機構重点普及成果としてSOPを作成し、戦略的に普及を開始した。

(3) 今後の開発・普及目標

今後20年で、「せいめい」は九州地域を中心に500ha以上、「きよか」は暖地において50ha、「MK5601」は実需者と連携して機能性食品の商品開発を行う。

7 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献

  • 耐病性に優れ、抹茶・粉末茶に適した「せいめい」の普及により、日本茶輸出拡大に貢献。
  • 機能性成分高含有の「MK5601」の機能性食品開発により、国民生活のQOL向上に貢献。
  • 香りが特徴の「きよか」の普及により、消費者ニーズの多様化に対応、日本茶の高付加価値化に貢献。

(26099C)実需者の求める、色・香味・機能性成分に優れた茶品種とその栽培・ 加工技術の開発