研究代表者氏名及び所属
妹尾 啓史
(国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科)
研究実施期間
平成24年度~26年度(3年間)
研究の趣旨・概要
農耕地は、温室効果ガスでオゾン層破壊作用も有する一酸化二窒素(N2O)ガスの大きな発生源であり、その発生削減が求められている。本研究は土壌に施用した有機質ペレット肥料ならびにダイズ根粒根圏からのN2O発生を、微生物を利用して削減する技術を開発することを目的とする。そのために、各種有機質ペレット肥料に添加することによりN2O発生を削減できるN2O除去脱窒菌を選抜し、菌株による植物生育促進効果も明らかにする。また、N2O還元能と窒素固定能が高いダイズ根粒菌や、N2O還元能を持たない根粒菌が優占している黒ボク土壌に適応できるN2O還元能の高い根粒菌株を作出・選抜し、ダイズに接種して根圏からのN2O発生を削減する。これらのN2O除去微生物を圃場で利用するための微生物接種法を確立し、N2O連続モニタリングにより圃場スケールでのN2O削減能力を正確に評価・実証して実用化技術の原型を完成する。