研究代表者氏名及び所属
佐藤 隆一郎
(国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科)
研究実施期間
平成24年度~26年度(3年間)
研究の趣旨・概要
柑橘成分ノミリンは、胆汁酸受容体TGR5の新たなリガンド活性食品成分である。TGR5は小腸下部のL細胞に発現しており、リガンド結合により、L細胞からインスリン分泌促進ホルモンGLP-1の分泌を促進する。従って、ノミリンは、GLP-1分泌亢進、インスリン感受性増進を発揮することが期待される。一方、ノミリンが血液中に有効濃度で存在すると、ヒトでは骨格筋のTGR5に結合し熱産生を上げ、エネルギー消費増大を介して、抗肥満効果を発揮する。以上、ノミリンは、メタボリックシンドローム発症の基盤をなす、肥満、インスリン抵抗性の双方を予防、緩和させる可能性を有している。そこで、ノミリンのアグリコンと糖が付加した配糖体とのTGR5リガンド活性の違いを明らかにし、柑橘類より有効成分を豊富に含む食品素材の調製法を確立し、有効性を検証する。さらに、機能評価により食品プロトタイプの作成を目指す。