生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

イノベーション創出基礎的研究推進事業(終了)

2012年度 採択された研究課題

津波被害軽減効果の高い海岸防災林造成技術の開発

研究代表者氏名及び所属

坂本 知己

(独立行政法人森林総合研究所気象環境研究領域)

研究実施期間

平成24年度~26年度(3年間)

研究の趣旨・概要

東日本大震災は、青森県から千葉県にかけての海岸防災林に大きな津波被害をもたらした。とくに岩手県~福島県では消失した海岸防災林も少なくない。津波被災地の復興にあたっては、これら海岸防災林がこれまで果たしていた潮害、飛砂害、風害に対する防災機能や保健休養機能、景観創出機能の回復のために海岸防災林の復元が不可欠である。また海岸防災林の復元にあたっては、津波に対する多重防御の一翼を担う防災空間としての役割がこれまでになく強く求められている。そこで、数値シミュレーションに基づいて海岸林の波力減殺機能を考慮した高機能海岸防災林の目標林型を提示する。そして、根系成長のための盛土厚の基準の提示、クロマツ林の下層への広葉樹導入法やクロマツの本数調整と更新方法の提示など、目標林型への誘導法を開発しマニュアル化することで、海岸防災林再生事業、ならびに既存海岸防災林の改良を技術面から支援する。