生物系特定産業技術研究支援センター

(27033C)地域ブランド強化のための高品質食用・加工用サツマイモ品種の開発

事業名 イノベーション創出強化研究推進事業(開発研究ステージ)
実施期間 平成27年～令和元年(5年間)
研究グループ
(研究終了当時)		 農研機構次世代作物開発研究センター、九州沖縄農業研究センター、北海道農業研究センター、北海道立総合研究機構、 茨城県農業総合センター、鹿児島県農業開発総合センター、鹿児島県大隅加工技術研究センター、聖徳大学
作成者 農研機構中日本農業研究センター 田口和憲

1 研究の背景

サツマイモは、近年高糖度品種が消費者の人気を得ており、各地で地域ブランド化の気運が高まっている。
そこで、病虫害抵抗性や焼きいも適性、外観形状や加工適性が優れる食用・加工用品種を開発する。

2 研究の概要

農研機構で開発した有望系統を南九州、関東、北海道の各地域に配布し、地域適応性、病虫害抵抗性や加工適性等を評価して、各地域に適した高品質な食用・加工用の新品種候補を選定・育成した。

3 研究期間中の主要な成果

  • 高アントシアニンで、焼きいも適性が高い関東向け良食味食用品種「ふくむらさき」を育成した。
  • カロテンを含み、南九州ではチップ加工適性が高く、北海道では蒸切干加工適性が高い加工用品種の「あかねみのり」を育成した。
  • カロテンを含み、関東で蒸切干加工適性が高い加工用品種「ほしあかね」を育成した。

4 研究終了後の新たな研究成果

5 公表した主な特許・品種・論文

  • 品種登録出願33033 かんしょ品種「ふくむらさき」を品種登録出願(平成30年4月) (出願者名 : (国研)農研機構)
  • 品種登録出願34614 かんしょ品種「あかねみのり」を品種登録出願(令和2年3月) (出願者名 : (国研)農研機構)
  • 品種登録出願34163 かんしょ品種「ほしあかね」を品種登録出願(令和2年3月) (出願者名 : (国研)農研機構)

6 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開

(1) 実用化・普及の実績

  • 「ふくむらさき」は、茨城県では焼きいも用として7haに作付けされており、他の県と合わせると10haに作付けされている。
  • 「あかねみのり」は、鹿児島県ではチップ加工用として、北海道では蒸切干加工用として普及を開始した。
  • 「ほしあかね」は、茨城県で蒸切干加工用として普及を開始した。

(2) 実用化の達成要因

開発した3品種は、実需者や生産地域などの地域ブランド化をはかるターゲットがよく絞り込まれていたことから、品種登録出願公表後にすみやかに許諾が進み、研究成果が活用された。

(3) 今後の開発・普及目標

輸出力強化や生産基盤強化に向けて研究予算を獲得し、実需ニーズがあり、生産しやすい青果用・加工用の新品種が早期に普及、定着できる生産体制を確立する。

7 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献

高品質な青果物や加工食品を国内外の消費者へ販売することにより、地域農業や食品加工産業が活性化するとともに、国民の健康で豊かな食生活に貢献することができる。

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