年度 2020 ステージ 開発研究 分野 農業-花き 適応地域 東北 キーワード リンドウ、品種開発、赤花・八重咲き、マーカー選抜、培養技術 |
課題番号 | 27030C |
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研究グループ | 公益財団法人岩手生物工学研究センター、岩手大学、八幡平市花き研究開発センター、岩手県農業研究センター |
研究総括者 | 公益財団法人岩手生物工学研究センター 西原昌宏 |
研究タイプ | 育種対応型 Aタイプ |
研究期間 | 平成27年~令和元年 (5年間) |
PDF版 | 新規育種技術を活用した需要拡大のためのリンドウ品種の開発 (PDF:816.6 KB) |
1 研究の目的・終了時の達成目標
リンドウの新規需要拡大を目指して、新奇性の高いリンドウ品種の開発を行う。仏花以外への用途拡大を目指し、ホームユースや輸出用に八重咲きや赤色系の新たな花型、色彩を有する独創的な品種を開発し、利用する。具体的には、育種を効率化する技術を開発・利用して、八重咲き及び赤花系品種の育成を行い、栽培マニュアルを作成することを達成目標とする。
2 研究の主要な成果
- 新奇性の高い八重咲きリンドウ品種候補8系統を育成し、栽培マニュアルを作成した。
- 新奇性の高い赤花系リンドウ品種候補3系統を育成し、栽培マニュアルを作成した。
- DNAマーカー、成分分析、分光測色計評価による八重咲き、赤花系リンドウ個体の選抜法を開発し、上記の品種育成に利用した。
- 未受精胚珠培養、胚珠培養、染色体の倍加方法の効率化を行い、上記品種育成に利用した。
公表した主な特許・品種・論文
- Tasaki, K. et al. Development of molecular markers for breeding of double flowers in Japanese gentian. Molecular Breeding 37, 33 (2017).
- Nishihara, M. et al. Development of basic technologies for improvement of breeding and cultivation of Japanese gentian. Breeding Science 68, 14-24 (2018).
- Takamura, Y. et al. Production of interspecific hybrids between Japanese gentians and wild species of Gentiana. Breeding Science 69, 680-687 (2019).
3 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開
- 作出した八重咲き系統、赤花系統について、品種登録出願を進めるとともに、種苗供給用に増殖し、品種の普及を図る。
- 開発した新規育種技術の有効性が明らかになったことから、さらに本技術を活用して様々な新奇形質を有するリンドウ品種の開発を行い、新規需要を創出する。
【今後の開発・普及目標】
- 2年後 (2021年度) までには、品種登録した系統の生産者への種苗供給を開始する。
- 5年後 (2024年度) は、本格的な流通に合わせて、新規需要の拡大を図る。また、上記の系統に加え、さらに新奇形質を有する品種開発を目指す。
- 最終的には、品種のバリエーションを整備し、これまでの仏花需要とは異なる用途の定番商材としての販売の安定化と生産の拡大を目指す。さらに、新品種により、輸出品目としての優位性を確保する。
4 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献
- これまでにない新奇性の高いリンドウ品種の開発により、仏花以外の新規商材としてのリンドウの利用が想定される。また、輸出用品目としての利用拡大により、花き産業の振興が期待できる。
- 新奇リンドウの普及によって、生産が拡大することにより、中山間地における新たな就農者の参入、地域経済への貢献が期待できる。また、多様な消費者ニーズに合わせた花きの育成が進むことにより、 選択の幅が広がり、国民の豊かで彩りある生活に貢献できる。
問い合わせ先 : (公財) 岩手生物工学研究センター TEL 0197-68-2911