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年度 2020 ステージ 開発研究 分野 農業-花き 適応地域 全国 キーワード キク、カーネーション、ヒートポンプ、省エネ、EOD-heating、短時間夜間冷房 |
| 課題番号 | 29015C |
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| 研究グループ | 農研機構、秋田県農業試験場、宮城県農業・園芸総合研究所、千葉県農林総合研究センター、島根県農業技術センター、愛知県農業総合試験場、長崎県農林技術開発センター、長野県野菜花き試験場、兵庫県立農林水産技術総合センター、岡山大学大学院環境生命科学研究科、株式会社イーズ、秋田県農業試験場、宮城県農業・園芸総合研究所、淡路日の出農業協同組合、イノチオホールディングス株式会社 |
| 研究総括者 | 農研機構野菜花き研究部門 道園 美弦 |
| 研究タイプ | 現場ニーズ型 Aタイプ |
| 研究期間 | 平成29年～令和元年 (3年間) |
| PDF版 | 短時間変温管理法に基づく主要花き類の周年安定生産技術の開発 (PDF:702.7 KB) |
1 研究の目的・終了時の達成目標
ヒートポンプを有効活用し周年に渡り、花きの安定的で高品質および省エネルギー栽培を、全国で迅速に普及させるために、冬季の EOD-heating: ※技術と夏季の短時間冷房技術の組み合わせによる花き施設栽培における省エネルギー化を図る周年安定生産の技術を開発および冬季の花き生産を全国的に安定化させるために主要切り花の EOD-heating 技術を開発することを目的にする。(※End of Day-heating (EODh) : 冬季の日没時の温度の最適化により開花を安定化させ、その後の温度を低下させて省エネ効果をもたらす技術)
2 研究の主要な成果
- 輪ギクの高温期の EONc (EON-cooling : 夜明け前の短時間冷房) が効果的であること、冬季の1月、2月開花作型で EODh の効果を確認し、消費電力が終夜冷房比で70%程削減、暖房コストは30%削減できた。
- カーネーションでは、高冷地の冬季の EODh と夏季 EODc (EOD-cooling : 日没時の短時間冷房) との組み合わせにより品質向上、開花の前進、収穫量増加が認められ、消費エネルギー削減率28%以上であった。
- ヒートポンプ室外機のドレンパン凍結対策-室外機ドレンパン凍結を防止するヒーターの容量は、35W~75W程度であることが確認でき、製品化した。
- 愛知県、長崎県、秋田県における1月出荷作型の輪ギク'神馬'において、EODh により、開花反応および切り花品質は3県でほぼ慣行と同等であり、消費エネルギー削減率は3県とも20%以上であった。
公表した主な特許・品種・論文
- M, Higashiura.Effects of Temperature and Timing/Duration of Night Cooling Treatments on Flowering Time and Quality of Cut Flowers of Standard type Carnation (Dianthus caryophyllus).Horticulture Journal 89(1)2020.
3 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開
- ヒートポンプ室外機のドレンパン凍結対策 (株式会社イーズ) 2019年製品化 (サービス提供) → 積雪寒冷地でのドレンパン凍結対策として、長野県伊那地域を中心に100件程度に設置済み。
- 長野県における標高750m以下のカーネーション栽培農家に対して、夏秋切りカーネーションの2次側枝 (2番花) の切り花品質向上に短時間冷房処理技術について指導普及を行った (長野県野菜花き試験場)。
【今後の開発・普及目標】
- 2年後 (2021年度) は、開発技術であるEODh技術および短時間冷房の有効性が得られているため、全国の施設花き生産者への指導拡大を図る。
- 5年後 (2024年度) は、開発技術の普及浸透のため、民間企業での製品化を含めた局所 (ダクト) 的環境制御に関する研究開発を行い、より簡便化および省エネ化を目指す。
- 最終的には、施設花き生産者への開発技術の普及浸透およびヒートポンプの普及率70%を目指す。
4 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献
- EODh 技術の普及により、生産者の重油消費量の30%削減が可能であり、ヒートポンプを周年有効活用利用する冬季の EODh と夏季の短時間冷房の組合せにより、慣行の冬季の燃油による暖房栽培と比較して消費エネルギー量を10%程削減できることから収益の増加が見込める。
- 年次変動の影響が少なく安定生産を確保できることで、国内生産額は、2～3月のキクの生産量で5千万本を国産に置き換えられ34億円増加見込み、カーネーションでは、国内の品質低下が著しい10～11月の4千900万本の輸入切り花を置き換えられ25億円増加見込み。
問い合わせ先 : 農研機構野菜花き研究部門 TEL 029-838-6801