農業機械の安全装備

乾燥機(穀物用循環型)

その1.異常燃焼防止装置

 ほとんどの穀物用乾燥機では、火炉により高温の熱風を発生させます。通常火炉の状態は制御されていますが、何らかの異常が発生した際には、すぐに火災につながる危険性があります。そこで、このような事態を回避するための安全装置を農業機械安全性検査では求めています。

  1. ① 燃料を止めると同時に停止するバーナーであること。
  2. ② 温度・風量の異常、失火の時には燃料を止める構造であること。

 ②については、熱風の温度を検知する温度センサー、風量を検知する風量センサー、バーナーの失火を検知するフレームアイなどが装備され(図)、これらが異常を発見すると、制御装置により燃料の供給が止まるようになっています。また、多くの機種では、エラーコードなどで制御盤に異常が表示されるようになっています。
 乾燥機の異常燃焼は火災につながります。安全装置の状態に常に注意すると共に、取扱説明書を熟読し、作業中も手もとに置くようにして下さい。また、火災はメンテナンスや清掃の不足でも起き得ますので、安全装置だけに頼らない、日頃のこまめな管理を心掛けてください。


図 乾燥機の安全装置の一例
その2.感震装置

 近年製造されている乾燥機には、感震装置が搭載されており、乾燥中に一定以上の揺れを検知すると、自動で燃料ポンプを停止させて、バーナーの火を消します。型式によって、その後通風運転に移行するもの、一定の通風運転によって乾燥機内が冷却された後に機械が全停止するものなど、その動作は様々です。
 感震装置は揺れを感知した場合にバーナーの燃焼を止めてくれることが期待できますが、もちろん発生してしまった火災を消火してくれるわけではありません。乾燥作業中に地震が発生した場合には、穀物用乾燥機に異常が発生していないかを必ず確認するようにしましょう。