生物系特定産業技術研究支援センター
(c051)加工・業務用葉ねぎ栽培の機械化技術の開発
事業名 | 革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト) |
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実施期間 | 平成28年4月~29年3月(1年間) |
研究グループ (研究終了当時) |
香川県農業試験場、株式会社ニシザワ |
作成者 | 香川県農業試験場 企画営農部門 十川 和士 |
1 研究の背景
葉ねぎ(青ねぎ)の周年出荷体系を確立するためには、冬場にトンネル栽培を行う必要があるが、トンネルの設置作業は、2人がかりでの重労働であることから、生産者の高齢化とともに栽培面積維持・拡大が難しくなりつつある。そこで、女性や高齢者でも容易に操作でき、かつ作業能率に優れるトンネルの支柱打込み機を開発することとした。
2 研究の概要
香川県農業試験場の既存試作機を用いて、支柱の変形に対応できる打込み装置の開発と打込み深さ・幅を容易に調整できる構造への改良を行い、作業能率と汎用性の向上を図った。
3 研究期間中の主要な成果
- 飛び出し防止機構を付加し、支柱の変形による装填・打込ミスを減少させるとともに、前進・停止作業を自動化したことにより、1本あたりの打込み時間が大幅に短縮された。
- 10a当たり作業能率の試算値は3.6人・時となり、手作業(6.7人・時)の1.9倍に向上した。
4 研究終了後の新たな研究成果
令和元年7月から商品名「新楽打」として市販化された。
商品紹介ホームページ(有限会社沢田機工)http://www.sawadakikou.click/lineup.html
5 公表した主な特許・品種・論文
該当なし
6 開発した技術・成果の実用化・普及の実績及び今後の展開
(1) 実用化・普及の実績
現在のところ販売実績は無い。
(2) 実用化の達成要因
民間企業とともに実用機の試作を行い市販化された。
(3) 今後の開発・普及目標
JAの生産部会における共同利用や農作業支援組織での活用などによる県内産地への普及を図る。また、本機は支柱を押さえるアームを交換することにより、4条植えレタス(畝幅1.8m)のトンネル栽培にも利用できるため、レタス栽培においても普及を拡大させる。
7 開発した技術・成果が普及することによる波及効果及び国民生活への貢献
2人がかりでの重労働となっている「トンネル設置作業」を機械化することにより、葉ねぎ生産の省力・低コスト化と周年安定生産体系の確立に貢献できる。