生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2007年度 事後評価結果

高度リン酸化澱粉及びアントシアニン色素を含有する馬鈴薯を用いた機能性食品の開発

技術コーディネーター

野田 高弘((独)農研機構 北海道農業研究センター)

研究参画機関

  • (独)農研機構 北海道農業研究センター
  • 藤女子大学
  • 国立大学法人帯広畜産大学
  • ハウス食品株式会社
  • 東京農業大学
  • 十勝ビール株式会社

総合評価

優れている

コメント

本コンソーシアムにおいては、代表者および中核機関を中心に各機関全体が良く機能し、試料や情報の共有化がなされ、基礎的研究から明確な応用出口まで一貫した研究が実施され、コーディネーターの高い指導力が発揮されたと判断される。
特色ある馬鈴薯の育成、その特徴成分であるアントシアニンや高リン澱粉の構造的特徴と機能、ならびに醸造条件等に係る基礎的解明を官・学が進め、その成果を産が製品開発に生かして試製し、その製品の機能発現を官・学が検証する参加機関相互の十分な連携で推進した。その結果、学術論文29編と特許出願10件を果たして事業化を進め、一部に市販を決定し、他にも有望な開発がなされたことは、当初計画を上回る研究が実施されたと評価できる。
高リン澱粉および有色馬鈴薯の持つ高い健康機能性の評価を学術的に明らかにし、ビールやソフトドリンク、ポテトフレーク、チルドスープの製品化につなげた。そして製品そのものの機能性ついても検証している。また試作したビールについては、試飲会で高い評価を受けており直ぐにでも事業化が可能である。5年間でヒット製品の販売には至らなかったが、今後近いうちに関連産業創出が見込まれ、北海道の食農産業の発展に大きく貢献できるものと思われる。