生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2007年度 事後評価結果

超小型豚の品種特性の改善とその利用法の開発

総括責任者

桑原 康(農事組合法人富士農場サービス)

参画機関

  • 富士農場サービス
  • 日本大学生物資源学部

総合評価

当初目標を達成

コメント

当初の計画に従って、研究は当初結果にそって実施され一定の成果をあげ、ほぼ技術開発が行われ、特許も申請中でまた品種登録も計画中でベンチャー企業の創設も行われた。最終的には、当初の研究計画目標はほぼ達成しており、研究開発は順調に進んだものと考える。
しかし、2年間と限られた期間とはいえ、多額の予算を使いながら、学術的には原著論文、口頭発表等が、全くないことは大変残念であり、もう少し努力すべきではないかと考える。超小型豚雌の成熟過程の解明が不十分であること、学会発表や論文発表が全くないので専門家の評価が充分行われていないことなど多少不安もある。
当超ミニブタ種は、ゲッチンゲンミニブタを含むこれまでのミニチュアピッグと比較しても、かなり小さい体重の豚集団が作成されたことは事実である。個体の近交係数の上昇に注意しながら集団を維持することで、安定的に超小型の豚を供給できる体制が構築されれば、新たなベンチャー起業の創成が可能と思われる。
また、マーケティングや需要の掘り起こしなども充分とは言い難い。つまり、超小型豚の実験用用途での販売は、流通ルートの確立、コストの低減や実験動物としてのバックグラウンド・データの蓄積を通じての学会での認知、信頼性獲得など、ビジネス成立の為に多くの努力が必要とされるので今後とも頑張ってほしい。
超小型豚の潜在的需要は高いものと考えられるので、研究と開発を継続して、新たに設立したベンチャー企業富士マイクラ(株)が維持発展できるように努力して戴きたい。ベンチャー起業の観点からは、既に企業を設立しており、当制度の目的は達成されたものと判定した。