生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2008年度 事後評価結果

セルロース系バイオマスの複合的変換技術の開発

技術コーディネーター

天野 良彦(国立大学法人信州大学)

研究参画機関

  • 国立大学法人信州大学工学部
  • 株式会社東芝
  • (独)農研機構食品総合研究所
  • 物産フードサイエンス株式会社

総合評価

当初目標を達成

コメント

キノコ残渣バイオマスの可溶化成分について、その分離法の開発およびバイオシステムの開発、その商品化のみならず他のセルロースの有効利用システムの開発など個別の要素研究は評価できる結果が出ており、キノコ廃菌床の水熱処理によりオリゴ糖および絶縁構造材を生産する一連の流れは理解でき、一定の成果を挙げ、当初の計画は達成されて将来の生物系産業の創出に貢献できる。

コンソーシアム全体の連携強化に努力してきたことは評価できる。しかしながら、連携が十分にとれていたとは言えず、コンソーシアム各機関の技術開発に凹凸がみられ、事業化までの技術開発には2年程度時間を要する。また、事業化に際しては、キノコ廃菌床の水熱処理によるオリゴ糖および絶縁構造材生産の流れ全体の量的なバランスや規模を見据え進めることが必要である。

なお、このプロジェクトのcoreともいうべき高圧水熱処理法とその装置の開発ならびにリグノセルロース高圧水熱反応分解物の利活用(糖類研究)以外の選択肢・可能性も残っており、今後、リグニン研究者を加え更なる展開を図るという方向性も必要である。