生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2008年度 事後評価結果

低アレルゲン大豆加工食品の開発と製造・流通システムの構築

研究代表者

小川 正(関西福祉科学大学)

研究参画機関

  • 関西福祉科学大学
  • 学校法人近畿大学
  • (独)農研機構作物研究所
  • (株)タスク
  • 天野実業(株)
  • (株)椿き家
  • (株)まざーずはーと

総合評価

当初目標を達成

コメント

総括責任者を中心として、「なごみまる」の栽培・収穫・流通/安定供給のためのシステム構築、加工による低アレルゲン化と製品の低アレルゲン性の評価・分析技術、さらに流通、販売システムに至る、起業に必要な一連の研究開発が当初計画に沿って実施されたことは、高く評価できる。既に、低アレルゲン大豆加工食品として、市販に耐えるドライフーズみそ汁、生みその試供品もほぼ完成し、構築したシステムで、専門医師監督下で、無償提供できるところまで来ている。本システムの充実を図り、ベンチャー起業の可能性は大である。今後生物系産業の創出に重要な役割を果たすことが期待される優れた成果が得られたと判断できる。

なお、試作された低アレルゲン化大豆加工食品に関して、専門医師の管理化における臨床評価(大豆アレルギー患者での経口負荷試験(チャレンジテスト))がなされたが有効性を確認するまでに至らなかった点は残念であり、計画よりもやや遅れてはいるが、相応の規模で実施されたことは高く評価できる。今後、速やかにチャレンジテストを医師の監視下で実施し、有効性を充分に確認してから商品化に進んでほしい。

食の安全・安心という観点から、製造された「低アレルゲン化大豆加工食品」の質の保証は重要で繊細な問題であり、今後も慎重かつ緻密な対応が望まれる。同時に、ベンチャーを起業して行くには、さらなる低アレルゲン大豆食品の開発による商品アイテムの増強、商品流通システムの全国展開に向けての検討などが必要である。