生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2001年度 中間評価結果

カドミウムを除去するファイトレメディエーション技術の開発

技術コーディネーター

住田弘一(東北農業研究センター)

コンソーシアム参加機関

独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構東北農業研究センター、株式会社植物工学研究所、秋田県立大学、秋田県農業試験場、株式会社新菱

研究内容

カドミウムを農地の土壌から除去するための経済的で環境に優しいファイトレメディエーション(植物による土壌環境浄化)技術を実用化するため、カドミウムを高度に吸収・蓄積するカラシナ等の植物を選抜・強化しつつ、土壌から植物への移行を促進する技術等を開発し、寒冷地における技術として体系化するとともに、植物に蓄積されたカドミウムの安全な処理技術を開発する。

中間評価結果概要

2年間の試験で、当初の基幹作物(ヒマワリやアブラナ科)に対するソルガムの優位性が明らかになり、3年目から基幹植物をソルガムに変更しているため、本格的な研究が遅れた感は否めない。しかし、ソルガムに関する有意義な結果が得られており、残り2年間で研究の一層の加速が求められる。また、実証試験で浄化過程を明示する手法は効果的だが、土壌中のカドミウム濃度の低減に伴う絶対吸収量の年次変化(減少)をシミュレートし、将来のカドミウム濃度を予想することも周辺住民のコンセンサスを得る上で必要と思われる。
今後は、ヒマワリやアブラナ科等で得られた成果の応用を検討しつつ、品種改良や分子生物学的手法の採用を含め、ソルガムを中心とした研究の着実な推進を期待する。