生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2001年度 中間評価結果

有明海における底質改善と底棲生物回復のための技術開発

技術コーディネーター

林 重徳(佐賀大学低平地研究センター)

コンソーシアム参加機関

佐賀大学、佐賀県有明水産振興センター、株式会社ワイビーエム、日本建設技術株式会社、松尾建設株式会社

研究内容

底質が急速に悪化している有明海では、底棲生物の生息数が激減し、特産のアゲマキやタイラギの漁獲も極端に減少しており、底質改善と底棲生物回復が緊急の課題となっていることから、浚渫する底泥を用いた潜り囲繞堤工法、水質浄化機能を持つ底質改善材、固結した海底・干潟を耕耘する機械の開発等を含むシステムを開発し、有明海北部において実証する。

中間評価結果概要

それぞれの分野で多少の試行錯誤は交えながらもほぼ順調に進捗している。特に、底質改善施工区において、アゲマキの移植から約3カ月後の時点で30%~70%の生残を維持し、最終的に性成熟・産卵に至らしめた成果は評価できる。また、囲繞堤の築造方法、浚渫・脱水装置、底質耕耘・混合機械、底質改善材の製造技術等を開発したことも大きな成果である。しかしながら、研究成果について学会誌等への投稿が少ない。
なお、水産業としてこの技術が成功するには費用対効果の問題があり、今後、研究終了時までに、囲繞堤の建設費及び耐久性、養殖する貝類の収穫までの回転率を含めた検討が必要である。