生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2002年度 中間評価結果

農水産物の脂溶性機能性成分CDラップを用いた新規食品の開発

技術コーディネーター

三輪 章志(石川県農業総合研究センター)

コンソーシアム参加機関

石川県農業総合研究センター、岩手大学、株式会社横浜国際バイオ研究所、株式会社スギヨ、株式会社柴舟小出

研究内容

これまであまり利用されることのなかった地域の農水産物や食品産業の廃棄物等を利用した付加価値の高い新規加工食品の開発を行う。

このため、余剰米麦(デンプン)を含む農水産物や食品産業の廃棄物等から水溶性で安定な各種の脂溶性機能性成分等のサイクロデキストリン(CD)包接物(CDラップと命名(注))を簡便・安価に製造する技術を開発する。そして、これらの技術の適用によって、付加価値の高い新規加工食品を開発する。

(注)CDラップ:CDは構造上疎水性の空洞を持ち、脂溶性の成分を取り込んで複合体を形成する。本課題の基本技術により従来取り込めなかった高分子成分や脂溶性成分なども取り込むことが可能となった。この状態のものをCDラップという。

中間評価結果概要

当初計画に従い、研究の進歩状況はほぼ順調であり、コンソーシアムとしての成果を上げていると評価できる。

研究結果については特許出願及び口頭発表がなされているものの、原著論文が未だ発表されておらず、今後積極的な公表が必要である。

また、ラップ技術の科学的解明が不十分であることから、CDラップ及び糖質ラップの科学的な構造や特性、ラップの機作などの解明、用語(CDラップ、糖質ラップ、脂溶体、固溶体、沈殿ペーストなど)の定義づけ等の検討が必要であるとともに、出口となる製品の数が多いので、進歩状況に応じた絞り込みが必要である。