生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2002年度 中間評価結果

天敵の行動制御による中山間地(京都府美山町)における減農薬害虫防除技術の開発

技術コーディネーター

高林 純示(京都大学生態学研究センター)

コンソーシアム参加機関

京都大学生態学研究センター、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 中央農業総合研究センター、株式会社四国総合研究所、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター、曽田香料株式会社

研究内容

害虫に食害された植物が出す微かな匂い成分(誘引成分)により天敵が引き寄せられ、また、隣接の植物の抵抗性が強化されることが見いだされた。モンシロチョウ、コナガ等の防除を行うため、このメカニズムを用いた天敵・害虫の行動制御技術を開発するとともに、町全体で減農薬栽培に取り組んでいる京都府美山町で実証試験を行い、減農薬害虫防除技術を開発する。

中間評価結果概要

当初の計画通りに研究は進展しており、最終的に本事業で開発する技術を中核にしたIPMマニュアルが提案されることが期待される。また、研究成果の発表及び特許申請は順調になされている。

しかしながら、これまでの研究成果のほとんどが閉鎖系の中での成果であり、現地での天敵誘引効果が実証されていないことから、今後、現地での試験に総力を結集し、実用化に向けての研究開発を進める必要がある。また、モデル試験については、実験スケールの中間段階の実証試験ではなく、現地圃場での効果予測を的確にできるモデル試験を実施する必要がある。

さらに、防除資材として活用を促進するため、農薬登録に向けた戦略も検討して欲しい。