生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2003年度 中間評価結果

アクアガスを用いた高品質汎用食材の新規調製技術の開発

技術コーディネーター

五十部 誠一郎((独)食品総合研究所)

コンソーシアム参加機関

独立行政法人食品総合研究所、株式会社タイヨー製作所、女子栄養大学、株式会社ローズコーポレーション、有限会社梅田事務所

研究内容

微細水滴を100度以上に加熱した気体媒体(アクアガス)を用いて野菜などの農産物を高品質な汎用食材として調整する装置・技術を開発し、また本技術による調整食材の利用性を明らかにする。
この技術で調整された汎用食材は、高品質で野菜表面の雑菌が除かれ、野菜を分解して溶かす厄介な酵素も無くなるため、冷蔵庫での貯蔵においても素材の品質が良好に保たれる。また野菜本来の色調・味・香り・歯ごたえも残っていて、そのまま食品および多目的調理食材のいずれとしても利用できる。

中間評価結果概要

総合的には当初計画に対応した結果が得られたが、本研究の新規性・独創性・ねらいは、アクアガスを用いて、これまでに無い新規な調理加工技術・装置を開発し、その事業化をはかることであるから、この技術でしかできない付加価値の高い調理加工品を製造できるのか、アクアガスでしかできないことは何かを明確にすることが極めて重要である。今後の2年間はこの観点を踏まえ、的を絞った研究の集中化が必要である。特に、女子栄養大学では今後の研究内容と方向性を見直す必要がある。
また、機関の間の分担が不明確なところがあることから、今後明確にして効率的な研究を推進することを期待する。
更に、アクアガスの特性を利用した食材加工の利点については、特に実験データのまとめ方、統計的解釈、誤差の処理等を適切に行うべきである。官能検査についても順序尺度データの処理法に問題がある。
なお、「アクアガス食材」の名称に関して、アクアガスから成り立っている食材、またはアクアガスを含む食材のような印象を受けるので検討すべきである。
コンソーシアム全体として発表論文が少ないことから、今後更に努力すべきである。