生物系特定産業技術研究支援センター 研究資金業務

異分野融合研究支援事業

2003年度 中間評価結果

プロテオーム解析を応用した革新的機能性食品評価法の開発

技術コーディネーター

吉川 敏一(京都府立医科大学)

コンソーシアム参加機関

京都府立医科大学、名古屋大学農学部、株式会社バイオマーカーサイエンス、住商バイオサイエンス株式会社

研究内容

生物体液中のタンパク質発現を網羅的に解析する手法(プロテインチップと質量分析計を組み合わせた測定法)を用いて、生活習慣病等の疾患に対する予防効能が実証された機能性食品を摂食した対象疾患患者等の体液中で変動するタンパク質(予防マーカー)を探索・同定する。次いで、これらの疾患予防マーカー群を迅速・簡便に探索可能な測定キット(抗体チップ等)を開発し、機能性食品が有する疾患予防効能の測定評価法を確立する。

中間評価結果概要

本研究の最も大きな課題は、疾病予防効果を持つ食品を評価できるマーカーが存在することの証明とその同定であり、中間時点では所定の成果を挙げていると評価できる。研究を継続することにより最終的に革新的な機能性食品の評価法が開発されれば、今後の機能性食品研究の発展に大きく寄与することが期待される。
最終目標とする「疾病予防効能評価用抗体チップの製品化と応用」の達成には、(1)新規マーカーの確立、(2)チップで予測できる疾病の多様化、(3)チップの経済性、がそれぞれ重要である。生活習慣病の予防マーカーは世界的にも未知の段階であり、国際的にも大変注目されている状況にもあることから、参画機関が目標達成に向けてより一層の協力関係のもとに研究開発を進めて欲しい。また、本プロジェクトはその目標を超えて更に発展しえる大きな可能性を持つことを、コンソーシアム全体の共通した意識とし、次の研究の展開を期することが重要である。
機能性食品の有効性研究においては、マウスで効果が見出されても、ヒトレベルで試験を行ったときに必ずしも効果が見出せないなど、動物実験に伴って様々な問題が生じることが予想されるが、残された研究期間に目標を凌駕するような独創性の高い成果を挙げられるよう期待したい。